おいしさを追求する吉兆楽のお米
リブランディングで価値を届ける
当社が販売するお米は他社よりも高価格です。その理由をきちんとお客様に納得していただく必要がある。そのためにも最初に会社のCIを定義し直して、それにふさわしいデザインを考えてもらいました。
企業コンセプトにふさわしいロゴとパッケージを提案
今年で創業27年目を迎える吉兆楽は、南魚沼産をはじめ全国から選りすぐったお米を雪蔵倉庫で保管し、一年を通して美味しいお米を届けることを信条としている米穀販売会社。2023年の新工場設立に伴い、NICOのDesign LABのデザイン相談やクリエイターとのマッチング支援を活用して、CI(コーポレート・アイデンティティ)、会社ロゴ、商品パッケージのリニューアルなど自社のリブランディングを行った。
「デザイナーに当社のコンセプトをご理解いただいた上でロゴマークの刷新を進め、当社の商品展開にふさわしいパッケージを提案いただきました」と水野専務。一般的にお米の卸売店は、米袋を専門に扱う会社の既製品を使うことが多い。品質にこだわる高価格帯のお米で差別化してきた同社は、創業時からオリジナルで米袋を作ってきたが、「米の銘柄によってデザインがバラバラだったので、新工場設立を機に、CIなどのリブランディングも含めて、パッケージを統一することにしました。ただ米業界特有の雰囲気にはしたくなかったので、デザイナーとの協業に取り組んでみようと思い、Design LABに相談したのです」。
主力商品のスタンドパックシリーズは、あまりにも変わりすぎると、それまで購入していたお客様が戸惑うという理由から、形状やクラフト調の質感を受け継ぎリニューアル。産地や銘柄で色を変えることで選びやすくした。
統一感のあるデザインは展示会でも高評価
新パッケージはスタンドパック、ピロータイプともに基本デザインを統一展開し、色柄で変化をつけた。さらに、一般的な米袋に記載される精米時期だけでなく、差別化と食品ロスの削減につなげるため賞味期限を明記。また、旧パッケージには商品の説明を多く載せていたが、「デザイナーからの提案で掲載する情報を絞りました。こうした気づきも専門家にお願いした効果です」。
リニューアル商品はNICOと共同出展したスーパーマーケット・トレードショー2023でお披露目。高くても美味しいものを求める客層に訴えるデザイン性と、売り場の陳列も面として売り出せるということからバイヤーの反応もよく、成約に向けて手応えを感じたという。
「近々、米油の製造も開始します。当社は玄米のまま雪室で保管しているので、鮮度が良い米ぬかを絞った油は当然品質が高い。販売先は高価格帯の商品を扱う店が多いため、米油も同じブランディングで通用すると考えています」と水野専務。今後も吉兆楽ブランドとして、付加価値の高い商品を戦略的に展開していく。
同社独自の「雪温精法」は、雪蔵で玄米を通年保存し、雪を使って冷やした精米設備で精米を行う画期的な製法。さらに極上の米に仕上げた「氷温熟成米」は、米を一定期間マイナス2度で熟成し、旨味や甘みを向上させる「氷温熟成®」技術で作られている。
企業情報NICOクラブ会員
株式会社吉兆楽
南魚沼市中203-1
TEL.025-788-1230
URL http://kichorak.com/