ものづくりは人とのつながりがあってこそ。
燕三条を名乗る以上、まちにも貢献していきたい
杉山金属とグラフィックデザイナー、プロダクトデザイナー、コピーライターがチームを組んだ「燕三条キッチン研究所」が世に送り出したキッチンツールのブランド「4w1h」。その仕掛け人が杉山金属の小川氏だ。従来の商流から感じた違和感をきっかけに、ブランディングへの挑戦となった舞台裏について話を伺った。

燕市出身。2014年、異業種から杉山金属に転職し、営業部に配属。2017年、クリエイターとのコラボチーム「燕三条キッチン研究所」を立ち上げ、新ブランド「4w1h」を設立。ヒット商品の「ホットサンドソロ」は小川家の朝食のシーンからひらめいたアイデアが形になった。
Q1 燕三条キッチン研究所を始めるきっかけは?
杉山金属は独自性のあるキッチンアイテムを開発・製造してきましたが、販売は問屋・商社経由でしたので、自分たちの商品が、どこで、いくらで売られているかわかりませんでした。時間をかけて開発した新商品がすぐにECサイト等で安く売られていたことに違和感を感じ、それがいつしか危機感に変わりました。今後は自分たちの思いが伝えられるようなブランドづくりが必要であり、そこが当社に足りないと思ったのが始まりです。方向性が定まらない中で、知り合いのデザイナーに「何か一緒にできませんか」と声をかけ、具体的に動き出しました。



パン1枚でホットサンドが作れる「ホットサンドソロ」。朝食にパン2枚で作ると、お子さんが半分の量でお腹いっぱいになるのを見た小川氏が発案。パンの耳を閉じるための波型構造は杉山社長のアイデア。
Q2 「4w1h」の戦略は?
2017年から検討を始め、新ブランドを立ち上げることになり、2019年秋に「4w1h」を発表しました。その時は杉山金属の名前は出さないでいこうと決めたのですが、それは商品の評価が上がったところで、「作っているのはどこだ?」となるほうが面白いかなと思ったからです。販売は杉山金属とは違う商流にしようと決めていたので、自分達で直接小売店への販路を探りました。発表から半年ほど経った頃にTwitterがきっかけでオンラインショップにホットサンドソロの注文が殺到し、メディアへの露出も増えて、そこからは順調に売り上げが伸びていきました。
5w1hからWhere(キッチン)を除いた「4w1h」では「そもそも、いつ、だれが、なにを、どのように」料理するのかを考えた、本当に使いやすいキッチンツールを展開する。
Q3 「4w1h」の展開で
我々のチームの良いところは、デザイナーやライターなどそれぞれのプロがいる中でも、自由に素人的な意見も言い合えるところ。社長は「中にいると外からの見え方が分からなくなる」とよく言いますが、いろいろな人や会社と協力することで、自分たちに無いアイデアを頂ける。すべてを自分たちでやるのではなく、外部に頼ってもいいと考えるようになりました。ものづくりは人とのつながりが本当に大事だと思います。
Q4 これからの展開、目標は?
「4w1h」としては最低でも1年に一つずつは新商品を出していきたい。支持してくれている方に飽きられないように「また面白いものを出してきたな」と思ってもらえる存在でありたいです。将来的にはアイテムのギャラリーなどが作れたら。「燕三条」という地名を名乗らせてもらっている以上、まちおこしにも貢献していきたいと考えています。

杉山金属とグラフィックデザイナー、プロダクトデザイナー、コピーライターがチームを組んだ「燕三条キッチン研究所」が世に送り出したキッチンツールのブランド「4w1h」。その仕掛け人が杉山金属の小川氏だ。従来の商流から感じた違和感をきっかけに、ブランディングへの挑戦となった舞台裏について話を伺った。
企業情報
杉山金属株式会社(株式会社燕三条キッチン研究所)
燕市小池3633-10
TEL.0256-63-8125
URL https://sugimetal.jp/
・燕三条キッチン研究所
URL https://4w1h.jp/