『新潟親鶏』を使った自社商品で
新たなビジネスチャンスを
商品開発の支援では、ターゲットを絞り、コンセプトを明確にしたことが最終的に評価されたと思います。『新潟親鶏』をどれだけ多く使ってもらうかが目標。今後は業務用の販売にも力を入れていきたいです。
“親鶏でなければできない”
商品づくりに挑戦
牛肉・豚肉・鶏肉を使った食肉製品、惣菜の開発・加工・販売を手掛けるマルコ岩村。同社はNICOの「県産食品ブランド力向上支援事業(商品開発コース)」を活用し、小島グループが2020年に立ち上げたブランド『新潟親鶏』を使った商品開発に取り組んだ。「当社はPB・OEM品を中心に手掛け、オーダーメイドの商品を少ロットから製造できるのが強み。外食業界や生協、量販店、学校給食などの製品を開発していますが、自社商品はほぼありませんでした。そこで県産の親鶏を使い、付加価値を付けた加工品ができないかと考え、NICOの支援事業に応募しました」と木津課長は語る。
同事業では流通の専門家にアドバイスを受けながら、コンセプトの検討から開始。「当初は“親鶏という素材を使えれば”というくらいの考えでしたが、アドバイザーの方と話す中で、付加価値を高めるには“親鶏でなければできない商品を作ろう”と決めました」。
『新潟親鶏』は、若鶏よりも飼育日数が長く、弾力ある食感が特徴。脂のりがよく、噛めば噛むほど鶏肉本来の旨味を味わえる。国内流通量が少ないため希少性も高い。
今年9月からイトーヨーカドー丸大新潟店で「新潟親鶏の炊き込みごはん弁当」を販売し、売上も好調。フードメッセinにいがた2021の出展をきっかけに、弁当の開発依頼があったという。
試作と改良を繰り返し完成
首都圏への販路開拓を目指す
親鶏は若鶏と比べて弾力のある肉質で、旨味が強いのが特徴。その良さを活かしたいと、テスト商品を作り、現役バイヤーによる商品評価会に参加。「1回目の評価会では全品ダメ出しされました。マーケティングの知識がなく、“どこに、何を売るのか”という視点がずれていた。高級スーパーや百貨店など、こだわりのある店舗で採用されるには、価格設定含め、消費者のニーズに合わせた商品提案が必要だと気付きました」。ここでの意見を参考に、商品を「かしわめし」「スパイシーチキン」「生つくね」の3品に絞り、材料を国産にし、味付けを変えて挑んだ2回目の評価会では、概ね高評価を得た。
さらに、完成した商品の販路拡大に向け、食品事業者対象の「売上アップを目指す営業講座」を活用。来年2月にはスーパーマーケット・トレードショーの出展も決まり、首都圏などでの取引拡大を目指す。「かしわめしは、すでにスーパーのお弁当用に使われ売上の成果も出ているので、これからは小売りだけでなく業務用にも展開していきたいと思います」。現在、NICOの別の支援事業にグループで参加し、開発ノウハウを学んでいる。『新潟親鶏』の良質な素材と製造スキルを基盤に、新たな商品開発、ビジネスチャンスに繋げていく。
県内では五泉市の「エスマート」、新潟市の「ぽんしゅ館」、「とんとん市場」などのファーマーズマーケットで販売されている。
ブランド立ち上げ後に都内の展示会に参加。
企業情報
株式会社マルコ岩村(小島グループ)
新発田市舟入1035
TEL.0254-21-1505
URL https://www.kojima-g.com