“Fun to Drink;(楽しく飲む;)”がテーマ。
みんなが楽しめる場所づくりをしたい
わたご酒店は、東京で酒業界に携わっていた寺田氏が、祖父母が営む酒屋を「なくしたくない」との思いから、家族の反対を押しきり継承。以来、日本酒のサブスクサービスや、地域を盛り上げるイベントなど新しい企画を次々と打ち出し、話題の店となっている。
大学を卒業後、酒の卸問屋・日本酒類販売㈱に就職。次第に地酒の魅力にのめり込み、東京の酒店「今田商店」へ転職。2017年に新潟へUターンし、母方の実家であるわたご酒店の店主となる。イベント企画、セミナーなど講演も多数。
Q1 わたご酒店のコンセプトは?
2020年から「Fun to Drink;」をスローガンに掲げ、何よりも「楽しく飲む;」ということを大事にした店づくり、サービスを展開しています。商品のメインは日本酒のため、お酒自体にこだわるのはもちろんですが、お酒を飲む前も飲んだ後も楽しくなる提案をしていきたいという思いから、箸や酒器、雑貨、野菜などの商品も取り扱っています。
雑貨や調味料、お菓子、量り売りする洗剤など、こだわりの商品も販売。お酒に興味がある人も、ない人も一緒に楽しめる店を目指している。
Q2 イベントも開催していますね
店舗では、キッチンカーを呼んで「ノキシタマルシェ」を開催しています。また、これからは酒屋に来てもらうだけでなく、店舗のある新潟市江南区の亀田エリアに楽しい場所を作っていくこと、亀田エリアが魅力的になることで地域を目当てにお客様が集まることが重要だと思い、亀田公園で“新潟の食と農を楽しもう”をテーマにした「Farmers and Kitchen」というイベントを2020年から開催しています。
亀田公園で開催される「Farmers and Kitchen」には、地元農家の野菜、スイーツ、雑貨などのショップ、多彩なグルメが楽しめるキッチンカー、ワークショップの店などが集結。地酒やクラフトビールも味わえる。
Q3 新しい企画の発想はどのように生まれるのですか?
新しいものを生み出すというよりも、“素材”をどう見つけるかということですね。そうした情報は待っていても集まってこないので、まず飲み会を開きます。町の人や農家さんと一緒に飲みながら、「このことを解決したい」「あれが面白いよね」「じゃあ、こういうことをしようか」という話になってくる。例えば、亀田公園は新潟駅から2駅の亀田駅から歩いて行けて、広さもある。すごくいい素材です。その素材をどう使うかという話を皆でして、「東京の代々木公園みたいに大勢の人が集まって賑わう場所になるといいよね」ということで生まれたのが、「Farmers and Kitchen」だったんです。
Q4 今後の展望を教えてください
私たちは「地酒専門店」と「まちの酒屋」という2つの柱で店を運営しています。「地酒専門店」は、地酒の良さを伝えていくことが目的。毎月2本の日本酒を送る“サブスクサービス”もその一つですが、今後も新しいアイデアを使って魅力を伝えていきたいです。
そして「まちの酒屋」は、町や人の情報を集めてイベントやモノづくりに昇華していくことを目的にしています。みなさんと交流しながら課題や素材を見つけたい。埋まっているいい“素材”を掘り起こし、それを調理していくことを今後も進めていこうと思います。
地酒専門店として、新潟をはじめ全国の酒蔵から選定した日本酒が揃う。新潟の蔵元と県出身若手画家とのコラボレーションから生まれた日本酒“アール・ヌーヴォー”など、オリジナル商品も魅力。
仕事をする上で
大切にしていること
「結果を出す」ということです。いいサービスを提供したい、地域の人たちに楽しみを提供したい、ではなく「提供する」。「したい」と「する」は全く違っていて、「したい」というのは誰もが思うこと。結果を出すために何をすればいいかを考え、そこに向かっていくことが大切だと思います。
企業情報
新潟亀田 わたご酒店
新潟市江南区亀田四ツ興野2-3-3
TEL.025-382-5777
URL https://watago-sake10.jimdofree.com/