株式会社エステーリンク【全ての挑戦は経験になる。新しい挑戦と市場の創造を続けていく】

全ての挑戦は経験になる。新しい挑戦と市場の創造を続けていく

代表取締役 齋藤隆範 氏

バリ取り機も大型空気清浄機も、ニッチな分野で他社が作らない商品です。新しいものを使ってもらうには「それを使うことが当たり前」になるような市場を創造する必要があります。いずれ競合も出てきますが、競合がいてこそ市場のレベルも上がります。

オリジナル商品開発や海外見本市に挑戦

1973年に創業したエステーリンク（創業当時は斎藤鐵工）は、金属加工業向けの集塵装置の開発から始まり、精密板金溶接加工分野に進出。1984年には県内で初めてレーザー加工機を導入し、技術を磨いてきた。

2003年には、それまで人の手に頼っていたバリ取り作業を機械化。NICOの「ゆめ・わざ・ものづくり支援事業」を活用し、オリジナルのバリ取り機「メタルエステ」を開発した。「メタルエステの開発に関しては、2003年に補助金を活用させていただきました。2015年頃には海外展示会への出展でお世話になりました。ベトナム、中国、タイなどの展示会に参加し、複数企業の共同出展という点でも、他社さんの様子を見て勉強になることが多かったです」と齋藤代表は話す。これまでに商品開発や外国の特許出願の支援、IoT活用による生産工程管理の改革などでNICOを活用。最近ではDX関連のセミナーに参加し、研鑽を積んでいる。

最新機種のバリ取り機「メタルエステ1000」は6本の研磨ブラシが回転しながら旋回し、多方向からパーツを研磨できる。他にも板金加工業者のニーズに応じた機種をラインナップ。食品加工機械、建設機械関連、自動車部品など幅広い業界で活用されている。

一つ一つのトライアンドエラーが今につながっている

NICOの支援やその成果について齋藤代表はこう話す。「『この支援があったからこれができた』という直接的な成果だけではなく、NICOさんの支援があることでトライアンドエラーが非常に回りやすいことが私たちにとっては大きいです。挑戦する意欲があってもお金の問題や、やり方が分からないことがあります。そこに支援をいただけるので思い切って挑戦できますし、結果が伴わなくても経験は確実に残ります。その一つ一つが今の事業に結びついています」。

今後は、集塵装置開発で培った「空気を操る」技術を活かして、広い生産工場で使える大型空気清浄機の開発に力を入れる予定だ。すでに他社からの引き合いもあり、開発製造対応が進んでいる。従業員の健康や作業環境の改善が求められる今の時代、ニーズが高まりそうだ。

「大事なのは市場の創造です」と話す齋藤代表。レーザー加工機をはじめ、バリ取り機も大型空気清浄機もいち早く開発を始めた。顧客の潜在ニーズを見出し、自社の強みや技術を掛け合わせながら、今後も新しい挑戦を続けていく。

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