ステンレスの鍋や鉄鍋がヒット。
積極的な海外展開で世界に挑む
モノづくりの街・燕三条地域で洋食器づくりの歴史を築いてきたヨシカワ。近年、品質と機能性、デザイン性を兼ね備えたオリジナルブランドのキッチン用品は多くの国に輸出され、高い評価を得ている。
専務取締役 兼 事業部長 田中 則明 氏
「世界の状況は刻々と変わるため、お客様の要望にすぐに対応しないと海外では売場に並べてもらえない可能性もあります」と話す田中専務。昨年末から外国籍の3名を新規採用して営業を強化している。
海外見本市の出展を重ね自社ブランドの認知度が向上
ステンレスをはじめとする金属加工技術を基に、キッチン用品や家庭用品の企画・製造・販売を行うヨシカワでは、NICOの支援事業を活用し、海外と国内の販路開拓を進めている。
同社は12年程前に海外営業グループを立ち上げるが、「海外の展示会に出展するには莫大な費用がかかるため、海外売上がない中で補填をするのは厳しい状況でした。そこでNICOの支援策を知り、助成金を活用して出展するようになりました」と田中専務。ドイツの世界最大の消費財見本市「アンビエンテ」をはじめ、中国やフランス、アメリカなどの展示会へ出展を重ねるうちに自社商品の認知度が向上。現在は中国を主力に約17カ国への輸出を行っている。
中国からの発信を機にステンレス雪平鍋の人気が拡大
海外では自社ブランドのaikata/アイカタ、EAトCO(イイトコ)シリーズの商品、COOK-PALの鉄鍋が売上の約7割を占めるが、その中でも大ヒットしているのが「ステンレス雪平鍋」だ。4年程前、中国のユーザーが雪平鍋を使った料理をSNSで発信したのを機に注文が殺到。年間約3万個だった生産が、現在は30万個にまで伸びた。類似品も出てくるなか、日本製の品質の高さを打ち出し選ばれている。
また、輸出国の拡大に向けて平成31年度はNICOの海外展開加速化支援事業を活用し、展示会出展や欧米での市場調査を計画。「当社の鉄鍋は中国で売れているので、各国の小売店を対象に調査を行うことが、販売に繋がるチャンスになるのではと考えています」と石田グループリーダーは語る。
国内販路も変化
新規取引先をとりこむ
海外売上が伸び始めたことから、同社はNICOの地域中核企業国内販路開拓促進事業を活用し、国内の展示会にも出展するようになった。昨年6月の「国際テーブル&キhttps://www.nico.or.jp/sien/hojokin/31026/ッチンウェアEXPO」ではバイヤーの反応もよく、渡辺部長は「百貨店や専門店をはじめ、新しいお客様も掴むことができました。その中の2件はネット通販を行うお客様です」と話す。ブランドの認知拡大のためにもバイヤーが集う展示会への参加が重要だという。
「国内売上については新規のお客様を獲得しながら一定の水準を保つようにしていきたいです。海外は昨年のベースで全売上の20%弱まで伸びてきたので、10年前にスローガンに掲げた30%まで何とか伸ばしたい。また、主力の中国は政情不安や急な法律改正など輸出のリスクも高いので、早くいろいろな国に拡販していかなければと思っています」と田中専務。今後も積み重ねてきたノウハウを武器に挑戦を続けていく。
企業情報
株式会社ヨシカワ
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