AIを利用した行動記録アプリを開発し、営業活動を支援
「このアプリは個人の行動を監視するものではなく、どういう行動パターンが受注率を上げていくのかを探すことが最終的な目標。そのためにも多くの営業担当者に使ってもらい、そのデータを集めてAIに学習させたいのです」と語る島社長。
AIの研究開発に取り組むためNICOの事業に応募
企業の業務管理を支援するパッケージソフトの開発をはじめ、システム開発の委託請負や人材派遣などを行う株式会社トラステック。同社は平成29年度「先進技術開発支援事業」を活用し、AIを使った行動記録アプリを開発した。
「今回の開発にはどうしてもAIが必要だったのですが、当社にはその技術がなかった。そこでNICOさんにAI、IoTなどの高度ITを活用した開発を支援する事業があるのを知り、応募しました」と島社長。事業の採択を受け、同社の研究強化を図る部署に専任社員を配置。長岡技術科学大学知識マイニング研究室と共同研究予定だ。
業務日報の自動作成や効率的な営業に力を発揮
営業活動での利用を想定したこのアプリの特徴は、「位置の履歴と過去の行動から、その日の行動をAIが推定する」ということだ。まずはスマートフォンに搭載されたGPS機能を使い、訪れた場所や時間などを自動的に記録。「GPSで位置は分かりますが、移動中なのか、作業中なのか行動までは分かりません。それを過去の情報からAIが判断するわけです」。AIが判断した行動が間違っていた場合は手動で修正。こうしてAIが学習を重ねることで精度が向上し、「この時間にその場所にいるなら、こんな行動をしている」という推測が可能になるのだ。
このアプリは自動的に業務日報が作成できるだけでなく、営業活動の効率化や受注増にも力を発揮。効率的な営業ルートや、受注率が上がるために最適な行動パターンをAIが提案できるようになるという。
クラウドによる情報共有の有効性を広くアピール
同社は約10年前から社内のクラウド化を進め、全社員のスケジュールを情報共有。会議、日報などあらゆる業務をクラウドで行い、経営の効率化を図っている。「クラウドは日本では、まだまだ浸透していないのが現状。特に新潟は遅れています。そこでお客様にクラウドを勧めるために、無料でセミナーも行っています」と言うように、島社長が講師を務めるセミナーを県内外で開催。同社の取り組みを例にしながら、リアルタイムの情報共有が会社の合理化や生産性にどれだけ有効かを説明している。
顧客の利益を最優先に考えることを理念に、クラウド、AI、IoTなどを活用した業務改善や営業支援に力を尽くす同社のこれからに注目したい。
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株式会社トラステック
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