世界の市場にある困りごとをウェットブラスト工法で解決したい。
「今、モノづくりは100年に一度の変革期だといわれているので、NICOさんの支援によって新しいモノづくりが生まれることを期待しています。そして、それらの新しい分野と当社がコラボすることで、いろいろなチャンスも増えていくと思います」と語る松原代表。
ウェットブラスト工法に特化し、技術とノウハウを構築
創業当初からウェットブラスト工法一筋に取り組み、世界でも稀なウェットブラスト装置専門メーカーとして事業を展開するマコー株式会社。ウェットブラストとは、研磨材、水、空気を利用して、金属やプラスチックなどの表面の洗浄・加工・改質を行う技術で、同社の装置は自動車部品、電子部品、航空機部品、LEDなど幅広い分野の加工プロセスで使用されている。また近年は、ウェットブラストを利用して冷間鍛造の前処理工程を一貫ラインで行う、コンパクトで環境にやさしい「WLS」装置を開発。当初は自動車部品がメインだったが、各種産業部品や特殊鋼材へと用途を広げ、注目を集めている。
課題の解決に向けた3Dサポート材除去装置を開発
さまざまな分野の課題に対応し、独自の製品を生み出してきた同社。その一つが3Dサポート材除去装置だ。「3Dプリンターが出始めたとき、ある大学の先生から相談を受けたのがきっかけでした」と松原代表。3Dプリンターで造形したモデルは必ず表面にサポート材が付着するため、手作業での除去が大変だった。そこでウェットブラストをかけることで、入り組んだ部位でも簡単に除去できる装置を開発したのだ。
また、平成25年度には、「高付加価値化サポート助成事業」を活用して「3Dサポート除去用小型手動機」にも取り組み、商品化した。
こうした市場のニーズをキャッチするため、同社は毎年「SURTECH 表面技術要素展」に出展。「当社の装置を見ていただくことで、今まで知らなかった分野の企業から、こういうことに使えないかという問い合わせが来て、次の開発に繋がるのです」。
グローバルニッチトップを目指し海外展開を強化
NICOテクノプラザで開講している「長岡モノづくりアカデミー」を活用して人材育成に力を入れるとともに、近年は外国人の採用も進めている同社。さらに海外展開に関する支援メニューも利用し、海外進出の強化を図っている。2015年にサービス拠点を開設したアメリカでは、サポート体制を充実させながら、現地法人の営業開拓を推進。今後は自動車部品で世界トップの生産量を誇る中国へのPRにも力を入れる。
「我々が戦えるのはニッチな部分。世界の市場にある困りごとをマコーの技術で解決する、グローバルニッチトップ企業を目指します」と松原代表。ウェットブラスト工法が今後世界でどのように進化していくのか、注目していきたい。
会社情報
マコー株式会社NICOクラブ会員
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