産学官・介護・医療との協力連携で独自の「食」を開拓していきます。
「地元・魚沼市にも、魚沼市ものづくり振興協議会を通してNICOとのパイプができ、支援事業に応募して採択されている企業が増えています。地域の活性化のためにも、こうした展開がさらに増えてほしいです」と話す川井社長。
どんな状況にあっても食べることを諦めさせない
介護食や治療食、災害食という分野を独自の視点で切り拓き、現在も挑戦と進化を続けているホリカフーズ株式会社。「病気や災害時でも、おいしく、楽しく食べることを諦めさせない」との思いで、さまざまな形の「食」を発信している。
代表品目である水や火を使わなくても温かい食事がとれる「レスキューフーズ」は、平成15年に発売。パッケージデザインは、長岡造形大学とのコラボで誕生した。「そのコラボはNICOの支援で実現しました。また、災害用食品という新しい視点の商品を市場でどう展開するかというときも、広報指導を受けたり、危機管理産業展の出展といった支援を活用させていただきました」と川井社長は振り返る。
在宅介護・療養の人にも介護食品を利用できるように
介護食分野においては、日本で初めて天然食品を材料とする濃厚流動食を開発した同社。最近は咀嚼・嚥下困難者のための食品も充実させている。病院や老人介護施設などで採用されており、今後は在宅介護向けの販路拡大も目指しているが課題もある。咀嚼・嚥下機能の障害の程度と、商品とのマッチングの難しさだ。
課題解決のモデルケースとなりそうなのが、新潟大学医歯学総合病院内にある「食の支援ステーション」。専門スタッフのアドバイスのもと、介護食の試食や相談ができる。「運営しているにいがた摂食嚥下障害サポート研究会は、当社を含めた20団体が参加し、NICOが事務局になって活動しています。こうした場所が各地に出来れば、患者さんやご家族にも身近に介護食の情報をお届けできると思っています」。
病気予防や悪化を防ぐため「食」にできることが必ずある
今後は低たんぱく米をはじめとするたんぱく質調整食品などを、病気予防の観点で広めていけたらと考えている。「現在の医療は投薬治療が中心で、食事療法にはハンデがあります。しかし、病気の兆候があった時点から、食で対処していけば病気になったり、悪化したりすることを防げるはず。そのエビデンスを取るため、新潟大学、新潟県と我々県内企業4社で、低たんぱく米の臨床試験を行っているところです」。
さらに、機能性食品の海外展開も見据え、中小企業等外国出願支援事業等を活用し、取り組んでいる。平成29年4月には商品のブランド名を「FORICA」に統合し、ロゴも一新した。国内、そして海外の多くの人の食を支えていくブランドへと成長する同社の今後にも期待が高まる。
会社情報
ホリカフーズ株式会社NICOクラブ会員
〒949-7492 魚沼市堀之内286
TEL.025-794-2211
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URL http://www.foricafoods.co.jp