鮭文化が息づく村上市で、昭和63年の創業以来、鮭の仕入れから加工販売までを一貫して行う鮭物産株式会社。「魚をもっと食べてほしい」という思いで開発した「鮭一口煮びたし」が、昨年の発売以来、順調に売り上げを伸ばしている。
村上産天然秋鮭を使った「鮭一口煮びたし」が首都圏で大好評
鮭物産株式会社
代表取締役 佐藤 智英 氏
幅広い年代に愛される鮭の加工品を模索し開発へ
鮭加工品の製造・販売、卸を主力事業とする鮭物産株式会社では、村上産の鮭を使った「鮭一口煮びたし」を開発。昨年の発売から短期間で人気商品となり、注目を集めている。
同社では、「塩引き鮭」など村上伝統の商品を製造するほか、現代の嗜好にマッチするオリジナルの鮭加工品も開発。「鮭一口煮びたし」も、幅広い年代に愛される商品を模索する中から生まれたという。「消費者の魚ばなれが進む中、どうすれば魚をもっと食べてもらえるのかが常にテーマでした。未来につながる食材を作ろうと、いろいろ社内で取り組んできたのですが、魚は骨があるから子どもが食べにくい、魚は調理するのが面倒という人も多いことから、骨が少なくてやわらかく、一口ですぐに召し上がれる商品がいいのではと考えたのです」と佐藤社長は語る。
「鮭一口煮びたし」は骨が少なく、一口サイズなので、子どもからお年寄りまで食べやすいと好評。常温保存も可能なため、お土産品としても最適(写真上)。同社が経営する「サーモンハウス」では、さまざまな鮭の加工品を販売。村上の伝統的な商品をはじめ、醤油味の「鮭とば」、「鮭みそ」などのオリジナル商品も人気だ(写真下)。
調理の手間がいらず、すぐに食べられるのが特徴
「鮭一口煮びたし」は岩船漁港直送の秋鮭の雄のみを使用。丁寧に下処理し骨を取り除き、一口大にカットする。村上の鮭は身が厚いため、小さくすると身が崩れやすいという苦労もあるが、独自の製法によって、歯ごたえは残しながらソフトな食感を実現。醤油、みりん、砂糖などを配合したタレに浸し、ほどよく味を染み込ませている。
製法や味付けなどを試行錯誤しながら、約2年かけて完成させたこの商品は、焼く・煮るなどの調理の手間もいらず、開封してすぐに食べられるのが一番の特徴。ご飯やお弁当のおかず、酒の肴をはじめ、そのままおにぎりの中に入れたり、サラダや麺類の具にしたりと、いろいろな食べ方ができるのも人気の理由だ。
「百貨店の催事で“お土産でもらって美味しかったから”と、何個も買ってくださる方がいて嬉しいです。もっと多くの人に食べてほしいですね」と語る佐藤社長。
2か月間のテスト販売で予想以上のヒットに
昨年行った表参道・新潟館ネスパス「新潟食楽園」でのテスト販売では、8~9月の2か月間で予想以上のヒットに。そこで10月から常設商品として採用されたが、好調な売れ行きから生産が追いつかず、12月には納品待ちの状態になった。「首都圏は1人や2人世帯が多いので、すぐに食べられる点が受けたのでしょう」。
同社はNICOの「“新潟うまいもの”セレクション会議」や「セールスレップ(商品紹介)」を通して、専門家から具体的なアドバイスを受け、少量サイズや関西向けの薄味タイプを作ることも検討中。今後は商品をよりブラッシュアップし、首都圏や関西圏へ販路を拡大していきたいという。「お客様や周りの意見を真摯に聞き、すぐに商品に反映できるのが当社の強みです」と佐藤社長。これからも村上から、“未来につながる食材”を全国に発信していく。
NICOのコレを活用!
表参道・新潟館ネスパス「新潟食楽園」でのテスト販売、「新潟うまいもの」セレクション会議などを活用し、商品開発や販路開拓に取り組んでいます。
企業情報
鮭物産株式会社
〒958-0876 村上市塩町13-34
TEL.0254-52-1990 FAX.0254-52-5108
URL http://www.murakami-salmon.com