有限会社アサップ

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2017年02月06日
NICOpress135号専門家等相談新商品開発補助金等(助成金)

雪氷防災調査、気象調査などを主に手がける有限会社アサップは、4年前に水耕栽培設備を導入し、食用ほおずきの生産と商品開発に力を入れている。2004年に同社を立ち上げた小川社長に、これまでの経緯や今後の展望などを伺った。

食用ほおずきの水耕栽培とブランド構築を通じ地域に貢献

NICOクラブ会員 有限会社アサップ
代表取締役 小川 克昌 氏

地域に貢献することを目指し水耕栽培に挑戦

自然環境の保全や雪氷防災対策、自然災害などに関する調査・コンサルタントを行う有限会社アサップでは、新規事業として食用ほおずきの水耕栽培に取り組んでいる。

地元の測量会社に勤務した後、31歳で同社を設立した小川社長は「起業するなら何か地域に貢献できることをしたいと思いました。当時から農家の高齢化や耕作放棄地が問題になっていたので、農業関係に取り組もうと考えたのですが、私は農家の生まれでもないし土地もない。また若者の雇用も考えると、施設園芸がいいと思ったのです」と語る。新しい形の農業について情報収集を行い、植物工場での水耕栽培に着目。その後「マット給液方式」という水耕栽培方式に可能性を感じたことから、平成24年度の「建設企業経営革新支援助成金」を活用して栽培設備を導入した。

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「ほおずきを妙高市の特産品にするためには、地元の生産者を増やしていかないといけない。それが地域の活性化につながると思うのです」と語る小川社長。

食用ほおずき栽培に特化 魅力ある商品を開発

当初は試験的にさまざまな野菜を栽培。その中の一つが「食用ほおずき」だった。「日本では観賞用のイメージが強いのですが、食用ほおずきはおいしくて香りもいい。しかも栄養価が高いのです」。国内では生産している農家が少ない上、露地栽培が主流。需要に対して供給量が足りていないことを知り、「水耕栽培で通年収穫ができるようになれば商売として成り立つのでは」と、2014年夏から食用ほおずきの栽培を始めた。

現在は地元の洋菓子店、道の駅、産直販売所に生ほおずきを卸すほか、ほおずきの甘酸っぱさと香りを活かしたジャムとサイダーを販売。アイス、ピクルス、シロップ漬けなど新商品の開発も進行中だ。さらに同社はNICOの「専門家派遣」を活用し、新潟市のデザイン会社にブランドの構築や商品開発のアドバイスを依頼。パンフレットやラベルに女性を意識したデザインを取り入れ、商品のイメージづくりにもこだわっている。

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香料を一切使わず、ほおずき本来の香りを活かしたサイダーと、果実感たっぷりのジャム。ジャムは種のプチプチした食感がいいアクセントになっている。

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ビタミンA・C、マグネシウムを豊富に含む「食用ほおずき」は、濃厚な甘酸っぱさと繊細な香りが特徴。木に実ったまま完熟させ、自然に果実が落ちるのを待つという。

妙高市をほおずきの特産地にすることが目標

今後さまざまな加工食品を作るために生産量の確保が必要になる。そこで露地栽培を担ってくれる農家を探していたところ、各種野菜を受託栽培している地元の原通振興会が栽培に協力。現在は同社が苗を提供し、連携して生産を行っている。

「長野はリンゴ、山梨はブドウというように、日本中の誰に聞いても『妙高はほおずき』と言われるようになりたい。20年くらいかかるかもしれませんが、そこにたどり着くのが目標です」。この夏には新たにビニールハウス1棟が完成し、増設も計画中という同社。今後も食用ほおずきの可能性を広げながら、特産地の確立を目指していく。

ここがポイント

  • 競合の少ない食用ほおずきに着目
  • 商品のイメージづくりにこだわる
  • 地域の生産者と連携し、特産地を目指す

企業情報

有限会社アサップ
〒944-0005 妙高市中川3-5
TEL.0255-73-7772 FAX.0255-75-1063
URL http://www.asap-snow.com

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