ぼんさい屋とき

2016年09月26日
NICOpress132号専門家等相談

ぼんさい屋とき
代表 高橋  星児 氏

伝統的な盆栽に馴染みがない人でも、生活の中で気軽に楽しめるようなミニ盆栽を専門に手掛けている「ぼんさい屋とき」。自ら鉢を作り、植物を植え、販売まで行っている代表の高橋星児さんに、開業の経緯や盆栽づくりへの思いを伺った。

手作りの鉢と植物が一体となった 身近に感じられるミニ盆栽を提案

京都から帰郷し 新しいスタイルの盆栽屋をスタート

「ぼんさい屋とき」は、代表の高橋星児さんが「伝統的な盆栽とは違う、より身近で等身大の楽しみ方ができる盆栽を届けたい」という思いから、2013年9月に開業。ミニ盆栽に特化した新しいスタイルの盆栽屋として注目されている。

京都の大学で陶芸を学んだ後、陶器の工房で制作や営業に携わり、苔玉やミニ盆栽などを扱っていたという高橋さん。20年以上過ごした京都から新潟に帰郷したのは2012年の春だった。「新潟で何をしようかと考えていた頃、実家がギャラリーを営んでいることから、さまざまな作家の方々と出会い刺激を受けました。ちょうど母が使っていた陶芸の窯もあったので、自分で盆栽鉢を作り、植物を植え、販売するという作家的な切り口で活動をしてみようと思いました」。

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「新潟はすぐ近くで欲しい木や草花が手に入るし、山野草の種類も多い。環境として素晴らしいので、新潟でなければこの仕事は出来なかったと思います」と語る高橋さん。

展示会やワークショップを通じて 盆栽の楽しさを伝える

「盆栽鉢は手作りなので一つとして同じものはできませんし、木も一本として同じ形はありません」と語るように、高橋さんが生み出すミニ盆栽は、鉢と植物の組み合わせによって、それぞれ異なる表情と魅力を持っているのが印象的。鉢に合わせて植物を選ぶこともあれば、植物に合わせて鉢を作ることもあるという。

実店舗を持たないため、販売は県内外での展示会をはじめ、イベントやクラフトフェアなどへの出展が主体だが、今年1月からオンラインショップもスタート。また、2年前から始めた盆栽ワークショップも好評を得ており、参加者は20代から40代前後の女性が多いという。「参加者の方がそれぞれ好きな鉢と植物を選び、植え込みをします。持ち帰った盆栽の世話をしていくことで、より愛着を持ってくれるのではないでしょうか」。

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日本の植物を中心に植え込んでいるという、高橋さんのミニ盆栽。インテリアとしても人気が高く、部屋の中に彩りと季節感をもたらしてくれる(写真左)。
盆栽鉢は一度に200から300個を焼き上げる。「伝統的な盆栽鉢のセオリーにとらわれ過ぎず、自由に作っています」と言うように、個性的な形の鉢も多い(写真右)。

栽培、製作、販売の拠点を作り 県外に販路を拡げたい

高橋さんは昨年、借りた土地を活用して植物の栽培や盆栽の製作、販売の拠点を作りたいと、設備投資の対象となる補助金についてNICOに相談。現在、さまざまな支援策についてアドバイスを受けながら、実現に向けて準備を進めている。「自分で一から植物を育てたり、盆栽を常設展示できる場所を作ることで、事業として拡げていければと思っています。また、植物や緑をより求めている県外の都市部にも、販路を拡げていきたいです」。

盆栽を始めたいけれど入口がわからないという人に、その入口になるような、愛着を持って育てていけるものを提案したいという高橋さん。これからも新潟を拠点に、生活に潤いをもたらす盆栽の魅力を全国へ発信していく。

NICOのこれを活用

事業の拡大に向け、NICOの総合相談窓口や「よろず支援拠点」に相談。アドバイスを受けながら、支援施策の活用などを検討しています。

企業情報

ぼんさい屋とき
〒950-0112 新潟市江南区松山112-4小さな美術館 季(とき)内
TEL&FAX.025-276-2423
URL http://www.bonsaiyatoki.com

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