有限会社金子屋商事

2019年11月28日
NICOpress167号専門家等相談新事業展開

自慢の餃子で、中食市場にチャレンジ

50年以上前から長岡市で食堂を展開してきた金子屋。
売上が伸び悩む中で次の一手に選んだのが、拡大を続ける中食(惣菜)市場だ。
既存の外食と、餃子の製造販売の両輪で前進を続ける同社の取り組みを伺った。

有限会社金子屋商事 代表取締役 金子 覚 氏
代表取締役 金子 覚 氏

「今年の夏にお店で餃子教室を行った時、メディア各社にプレスリリースを送ったところ、新聞に取り上げて頂けました。先代がいた頃は厨房で調理に集中していましたが、今はアクションプランを考えて広報活動を行うことの重要性を実感しています」と話す金子社長。

昭和の時代に成長を遂げた長岡で人気の食堂チェーン

昭和34年に創業した金子屋は、長岡市内に5店舗を構える地元で人気の食堂。餃子やラーメン、洋風カツ丼など、幅広い世代に愛されるメニューをそろえている。「先代は今と比べて食べ物が少ない時代を過ごしたため、『お客さんにはお腹いっぱい食べてほしい』と、庶民的な価格でボリュームのある料理を提供してきました」と4代目の金子氏。その想いは、「金の商品を、銀の価格で」というスローガンになり、価格以上の商品価値を提供できるように日々努力を続けている。
昭和の時代に店舗数を増やし成長をした金子屋だが、近年は伸び悩むようになった。「リーズナブルな価格で不景気に強い食堂だったんですが、今後外食だけで成長していくのは難しいと感じるようになりました。それに、人手不足でたたまざるを得ない店も出てきたんです」。

有限会社金子屋商事 ずっしりと食べ応えがある餃子

ずっしりと食べ応えがある餃子は金子屋の定番メニュー。大葉を練り込んだシソ餃子や、ショウガを入れたショウガ餃子もある。

 

作り続けてきた餃子に着目
ブランディングを始める

何か核となる商品をブランディングして販売したいと考えていた時に選んだのが、金子屋で昔から作っていた餃子だった。「当たり前のようにある商品なので特別なものとは見ていなかったのですが、宇都宮出身のアルバイトの子が『宇都宮で食べる餃子よりもおいしい!』と言ってくれて。それで改めて餃子について考えるようになったんです」。
餃子の材料となる肉やキャベツは、長岡をはじめとした近場のものを使うようにしている。朝採れたばかりの野菜を新鮮なうちに調理することがおいしさの秘密だ。また、一口では食べられない程の大ぶりな餃子は食べ応えもある。2015年には総菜の販売許可を取得。地元のJAの直売所で冷凍餃子を扱ってもらうと次第に人気が高まり、取り扱ってくれる店舗が増えていったという。

有限会社金子屋商事 テスト販売 有限会社金子屋商事 長岡市上富岡の直売所

長岡市上富岡の直売所では、餃子以外にも自家製麺や麻婆豆腐、エビチリなど、食堂で提供している料理も販売。新商品の反響を確認するためのテスト販売もここで行われる。

 

専門家のアドバイスをもとに伝わるWEBサイトを制作

金子氏はNICOの「広報相談会」をきっかけに、「専門家派遣事業」を活用して今尾アドバイザーに重点商品の絞り込みや戦略について相談し、広報を強化してきた。「WEBサイトでのメッセージの伝え方やプレスリリースの書き方、キャンペーンや広報の年間計画を指導いただきました」。イベントや発信を続けることで餃子の認知度は高まっていったという。
2017年にWEBサイトをオープンし、餃子や焼売のオンラインショップもスタート。2018年には新しい工房を設け、餃子の生産体制を強化した。現在は1日に1,400~2,100個の餃子を製造している。「これからは外食と中食の両輪でやっていきたいと思います」と金子氏。外食で培ってきた商品力を用い、惣菜の製造販売という新規事業で次の成長を目指している。

 

ここがポイント

  • 重点商品を見直し商品・販売の両面で新たな挑戦
  • 目標に向けた年間計画をたて実行・改善していく
  • 直売所を軸に情報発信も多チャンネルで展開

 

企業情報

有限会社金子屋商事NICOクラブ会員

[本部]〒940-2136 長岡市上富岡2-280-1
TEL.0258-86-6430
FAX.0258-86-6490
URL http://kanekoya.jp/

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