現場利用に応じた多関節ロボットの自動化のためのシステムを構築
「ラインを自動化するときも、既存のやり方の中でロボットをどう使おうかと考えがちですが、これは逆。ロボットの能力を最大限活かすために、どうしていくか。ロボットを中心に考えていかないとうまくいかないし、そのほうがいろいろな使い方ができます」と語る中山社長。
ロボットとお客様を繋ぐシステムインテグレータ
イーアールエス株式会社では、多関節ロボットを導入したFA(ファクトリーオートメーション)を、ライン構成、生産管理、メンテナンスまでトータルにサポートするROBO P3 SOLUTION事業をメインに展開している。
「お客様の漠然とした要望を具現化し、構想を提案するところからスタートします」と中山社長。同社では産業用ロボットメーカーの多関節ロボットを活用し、その周辺機械をオーダーメイドとして社内で設計・製造。顧客のニーズに合わせたシステムを一から構築している。「ロボットも魂を入れなければガラクタと同じ。ロボットとお客様を繋ぐのが、我々システムインテグレータの仕事です」。
効果を実感することでロボット導入を進める企業も
さまざまな業種の企業から生産ライン自動化の依頼が来るが、「最初はロボットを使うという発想がなかった企業も、実際に導入すると、次の生産ラインもロボットを使いたいという注文が来る。意識が変わってくるのです」と言うように、効果を実感することで積極的に導入を進める企業も。また、6軸多関節ロボット(可搬重量7kg)の価格も200万円前後とリーズナブルになってきたことから、中小企業でも導入しやすくなったという。「ロボットは24時間働いてくれるし、通常使用なら数年はメンテナンスフリーです。また、今は時代の流れが早いので、ロボットを残してユニットの部分だけ変えれば、経費をかけずに次の製造に転換できます」。
大型の6軸多関節ロボットは、重量のある荷物を積み重ねたり、移動させることが可能。30~40kgある製品のバリ取りなど、人間では重労働となる作業も自動化できる。
IoT技術の開発や技能継承のロボット化に取り組む
2016年には新潟県工業技術総合研究所 新潟起業化センター内に「新潟ロボットソフトウエア開発センター」を開設し、IoT関連の技術開発や実証事業を開始。さらに平成28年度ベンチャー企業創出助成金を活用して、ロボットとセンサーを組み合わせて技能継承を可能にするV2R事業に着手し、現在、燕三条の企業を中心に引き合いが来ている。
「人材不足はすでに切実な問題。ロボット化は初期投資が多少かかりますが、工程自体を先々まで考えれば順次、簡単に合理化できるので、そこを我々が解決していきたいと思います」。今後は標準化に近いFAを提供していきたいという中山社長。
フレキシブルな発想を加えたシステムプランを提案する同社のこれからに、注目が集まりそうだ。
会社情報
イーアールエス株式会社
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