優先度の高い業務からデジタル化。ツール導入でDXの効果を実感
「DXの知識がないときは、一つで全てを解決できるツールがあるのではと思っていましたが、それはとても難しくコストもかかることが分かり、何を優先するのかを決めました。請求書作成ソフトを導入したことで電子帳簿やインボイスにも対応できるので助かっています」
活用効果が大きい納品書・請求書のデジタル化に着手
明治36年に創業、高級フルーツ・野菜を取り扱う五十嵐本店。飲食店や結婚式場、和洋菓子店、学校などへの卸売を中心に、店頭やネットによる個人向け販売も行っている。4代目の五十嵐社長夫妻とパート従業員で営業する同社は、2023年度「DX社長塾」を活用し、デジタルツールを導入して業務の効率化に取り組んだ。「昨年参加したDX社長塾の担当者が、根気強く勧めてくれたことがきっかけです。自分でもデジタルについて勉強していた頃だったので、業務に取り入れてみたいと思いました」と五十嵐社長は語る。
同社は業界の慣習から、大半の業務で手書きの紙帳票を利用。社長が担う日常業務の負荷が大きい状況だった。そこで事業担当者とともに現在の業務を整理。課題を洗い出し、導入効果が大きいと判断した納品書・請求書のデジタル化から優先的に着手することにした。
柏崎産の高級バナナ「越後バナーナ」をはじめ、目利きの社長自身が毎朝市場で仕入れる「食べたい」と思う果物・野菜を取り揃える同社。店舗ではギフト用の果物を求めるお客様が多く、予算や送る相手に合わせて商品を選んでくれる。
ソフトウェア導入で業務の負荷が軽減。今後のDXに意欲も
4種類のツールを比較検討した結果、クラウド型請求書等作成ソフト「MISOCA」を選定。「無料お試しができたこと、機能が感覚的に使いやすいというのが選んだ理由です」。まずは2件の取引先を対象にトライアル利用を開始。少しずつ対象を広げ、無料作成できる帳票の上限数に達したことから本契約へ移行した。「この業務を家内やパートさんに頼めるようになったのも大きな成果です。私たちにとっては紙の伝票を電子化するという小さなステップですが、やってみることで効果を実感できたことが良かった。手作業の仕事はまだたくさんありますが、機会があれば別の業務のデジタル化にも挑戦したいと思うようになりました」。
DX推進に前向きになったことで、販促活動の効率化を図るため、LINEの活用も始めた。「直接お客様を訪ねなくてもLINEを使えば商品の画像を送れるし、顧客別に対応することもできます」。LINEで情報を一斉に発信し、反応があった顧客との個別商談が可能に。さらに将来はLINEでの受注も目指したいという。「より多くのお客様に“果物や野菜って美味しいね”と言ってもらえる機会を一つでも多く作っていきたい。そのための手段を、デジタルツールの活用を含めて考えていきたいです」。
ソフトウェアを導入してから業務の効率化がアップ。自社の業務に適した、使いやすいツールを選ぶことも重要だという。
五十嵐社長が厳選した果物・野菜を使い、オリジナルレシピで作る自社ブランドのジェラートも好評。素材の香りや味わいを楽しむことができる。
企業情報
有限会社五十嵐本店
上越市中央2-9-10
TEL.025-543-2112
URL https://www.iga808.com