多品種小量の精密部品を高品質かつ短納期で確実に納品
産業機械や輸送機械、半導体製造などに使われる精密部品の切削加工を行う中村ターンテック。直径50mm以下のバー材を用い、複雑で加工が難しい特殊ねじなどの切削加工を数量1個から対応している。
「リーマンショックの後、ISO認証を取得するために教育訓練を見直しました。それを機に体系立てて教育ができるようになったことで、ベテランの技術者が持っているノウハウが社内で共有され、生産性向上につながりました」(歌代代表)。
NICOブースからの出展で新たな顧客を獲得
弥彦村に本社を構える中村ターンテックは、1953年に創業した部品加工会社。ステンレス、鉄、チタン、アルミ、銅、樹脂など幅広い材質の精密加工を得意とし、1カ月で約1,200種類、年間で約6,000種類の精密部品を生産。創業時は電話機関連の部品製造を行っていたが、時代に合わせて取り扱う製品も変化。近年は半導体関連や新幹線の部品加工も手掛けているほか、最近ではワクチン保冷庫や、巣ごもりニーズから模型製作用の精密工具の受注が増えている。
「2008年から機械要素技術展に出展しており、最近はNICOブースを活用して出展しています。半導体製造関連の取引先はそこで出会い、昨年と一昨年はその仕事が当社の売上トップになりました」と歌代代表は話す。
取り扱う素材、種類、形状は幅広い。難しい要望にも真摯に対応しながら取引先との関係を築いてきた。社員からは「多品種少量生産なので面白い」「決められたやり方で同じ物を作るのではなく、自分なりに創意工夫を凝らして加工できる」という声が多く、やりがいにもつながっている。
既存顧客との関係性強化も展示会出展のメリットに
機械要素技術展に出展するのは新規開拓のためだけではないという。「近年は既存の取引先も多く参加されるようになりました。北東北や東海、関西などの遠方の取引先と顔を合わせ新たな商談ができるのもメリットになっています。また、新潟の出展企業とのつながりができ、そこでの情報交換や、自分たちも頑張ろうとモチベーションが高まるのも出展で得られるメリットですね」。
2012年には切削技術を駆使して作ったコマを持って、「全日本製造業コマ大戦」にも参加。「コマ大戦を通じて気概のある全国の技術者や経営者と出会えましたし、それをきっかけに仕事につながることもありました。コマを展示会のブースに置いておくと、声を掛けられやすくなるんですよ」と歌代代表。営業部門を持たない同社にとって、展示会やイベントへの参加が、新規顧客と出会い、既存顧客と関係性を深める重要な場になっている。
複雑な加工に対応するため、加工ツールを自社で作ることも多い。
多品種少量生産に注力し30年
生産体制の強化を進める
同社は1995年に工場を移転しワンフロアで効率よく生産することで短納期対応を可能にしてきた。さらに2005年に歌代代表が入社し、それまで人手に頼っていた生産管理をシステム化。WEBサイトの強化や教育訓練の体系化を進めるほか、マーケティング力や技術力向上、技術の継承に努めている。年々高度化するニーズに対応するため、毎年最新設備の導入も怠らない。「新規の取引先ははじめは小口の注文が多いのですが、正しい品物を納期通りに納めるという当たり前のことを積み重ねていくことで信頼してリピーターになってくれます。そういう当たり前のことを今後も大事にしていきたいですね。これからも成長産業のパートナーとして、技術や生産体制を磨いていきます」。
部門間の連携が取りやすい、ワンフロアのオープンスペース。
企業情報
中村ターンテック株式会社 NICOクラブ会員
〒959-0308 弥彦村大戸635-5
TEL.0256-94-5500
FAX.0256-94-5522
URL http://www.n-turntec.co.jp/