株式会社システムスクエア

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2016年03月23日
NICOpress129号機械・技術開発海外展開販路開拓

現場ユーザーのニーズを形に

株式会社システムスクエア
デザイングループ長 斉藤 寿満 氏

デザイン強化を図り、企業力と商品力をアップ

食品工場などの製造ラインで使われる金属検出機、X線検査機、かみこみ検査機を主力製品とする株式会社システムスクエア。異物検査機メーカーとして世界トップレベルの技術を蓄積する同社は2005年にデザイン専門部署を設置し、デザイン強化を図ることで企業力と商品力をアップさせ、販路開拓につなげてきた。

シンプルで無駄のない形状が印象的な製品は、これまでニイガタIDSデザインコンペティションの大賞、特別賞をはじめ、4度にわたりグッドデザイン賞を受賞。「ユーザーのニーズを具体的な形に結びつけたことが評価されたのでは。弊社の異物検査機を広く使ってもらうことで、最終的に一般生活者に安全・安心な食品を提供できるというところが一番重要なのだと思います」と、デザイングループ長の斉藤氏は語る。

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「お客様がまだ具体的に言葉にできないレベルの問題を捉えて、そこを改善できると、新しさを感じてもらえる形になると考えています」と語る斉藤デザイングループ長。

ユーザー視点で 問題や課題を解決したい

デザインに取り組む上で、「最初から形を考えることはありません。お客様のニーズがあって、その裏側にある表面化しない問題や課題を見つけて解決していくと、具体的な造形につながるという感じです」と斉藤さん。正に、デザイン思考におけるユーザー中心の発想だ。商品開発プロジェクトに関わる場合、まずは営業部門などから顧客のニーズを聞き、納得できるまで情報を収集して確認。疑問があった場合は顧客先の現場を訪ね、自分の目で確かめる。こうした地道な観察を重ねて見えてきたことが、製品に反映されるのだ。

例えばグッドデザイン賞を受賞したX線検査機は、初期モデルよりも機械の操作パネルを大型化し、よく使うボタンや重要な検査情報を大きく表示。また、それまで機械の両側から作業する必要があったメンテナンスを、片側だけで作業できるようにデザインを変えたり、X線の使用に不安を持つ作業者が少しでも安心できるようなサインを設けるなど、不特定多数の現場ユーザーが操作しやすく、分かりやすいデザインを追求している。「検査機として優れた機能を持っていても、作業者がうまく機械を操作できなければ、結果的に機能を引き出すことができません。それを具体的な造形を通して解決できるところに、当社の強みがあると思います」。

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2015年度グッドデザイン賞を受賞した、かみこみX線検査機(SXS2154C1D)。包装材へのかみこみ、異物、重量検査を1台で同時に行える業界初の画期的な装置だ。

ブランド力が向上し、幅広い分野に販路を拡大

同社は製品だけでなく、展示会のブースやカタログにも力を入れるなど、トータルデザインを進めてきたことで、企業ブランドのイメージ向上にもつながった。「私が入社した頃は会社の知名度がなく、業界でも後発だったため販売に苦労していました。それがデザインを通して第三者から評価を得たことで、社会的な信用度が上がったのが一番の成果だったと思います」と言うように、市場での存在感が高まるとともに受注も増加。近年は食品だけでなく日用品、工業製品、クリーニングなど、幅広い分野に同社の検査機が採用されている。

今後は市場が大きいアジア圏を中心に、海外販路を広げていきたいという同社。これからもユーザー視点で魅力ある商品の開発に取り組んでいく。

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デザイングループの斉藤さんと阿部さん(右)。ユーザーの目線で、少しでも顧客のメリットにつながるデザインを模索している。

企業情報

株式会社システムスクエア
〒940-2127 長岡市新産3-5-2
TEL.0258-47-1377 FAX.0258-47-0161
URL http://www.system-square.co.jp/

 

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