創業20年を迎え、次なるステージへの飛躍の時
株式会社テクノクラフト
代表取締役 栂坂 昌業 氏
国内シェア9割を占めるゴルフ場のカート管理システム
GPSを利用したゴルフカート管理システム「マーシャルナビ」を主力に、ゴルフコースデータやピンまでの距離を把握できるアプリ、グリーンの芝目を読むアプリなどを開発、提供しているテクノクラフト。同社は1995年に設立され、昨年創業20周年を迎えた。
創業当時はGPSにはかなりの誤差があり、「GPSなんて使えない」と言われていた時代で、相当な苦労があったと栂坂社長は振り返る。しかし、その時に培った経験が後発の商品との差別化を生み出し、マーシャルナビの国内シェアはいまや9割、売上は10年前の10倍だ。大手企業からのオファーが続き、海外にも進出するなど、飛躍の時を迎えている。
タブレット本体機器も自社開発している「マーシャルナビ」は来春、新型を発売予定。
スマホ用アプリの「スマートゴルフナビ」。
売上の8%を開発費に。常に挑戦を続けてきた
この20年の間、社員を大幅には増やさないコンパクト経営を目指し、毎年売上の8%を開発費に充ててきたことが成長要因のひとつだ。開発に対する栂坂社長のポリシーは「考える時間があるならやってみる」。「情報を集め過ぎると不安な要素が増えて、取り組む勇気が無くなる。ある意味、鈍感力のようなものが、人のやっていないことをやり遂げる力になると思っています」。
社員が働きやすい環境づくりも進めている。今年8月には社屋を増築し、快適なオフィス空間のほかにフィットネスコーナーとシャワーを設置。20周年にはハワイへの個別社員旅行も実施した。「福利厚生の充実によって社員が仕事に集中できればいいし、新たな採用でも良い人材が来てくれると期待しています」。
柔軟なアイデアを生み出すための環境が整えられた明るい社内。
パッティングを科学的に研究するために作った可動式グリーン。皆が驚く大胆な施設だが、面白がってくれる関係者も多く、これをきっかけに仕事のオファーも入っている。
外部委託や在宅ワークチームで増える仕事に対応していく
今後については、少数精鋭体制は維持しつつ、地元に協力企業を求め、増えていく仕事量に対応したいとしている。また、現在、アメリカのゴルフコースのデータ作成は、主に子育て中の女性を中心とした在宅ワークチームが担当。現在は80人が登録しているが、業務拡大に伴って人数を増やす計画だ。
業績は順調だが、実は今までで一番悩んでいるときでもあると話す栂坂社長。「成長が頭打ちにならないよう、承継も含めて企業価値が上がるように導きたいと、日々考えています」。大胆かつ誰もやらないアイデアで周囲を驚かせる開発を行い、経営ではしっかり足元を固める。同社がこうした成長を遂げてきた理由がそこにあり、躍進はこれからも続いていきそうだ。
新潟だから実現した事業。開発に継続的に投資しながら経験値を積んできた。
「当社は新潟だったからよかったと思っています。東京だったら情報があり過ぎて、きっとこういう事業には手を出せなかったでしょう。20年経ち、これまでは開発に一生懸命でしたが、70歳を迎えてから承継について真剣に考えるようになりました」と語る栂坂社長。
企業情報
株式会社テクノクラフト
〒953-0012 新潟市西蒲区越前浜6985-2
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