世界市場で戦うため、積極的な知財活動を展開。
執行役員 技術本部 本部長 真保盛雄 氏
技術開発課兼商品情報課 課長代理 本田剛治 氏
技術開発課兼商品情報課 森山蓉子 氏
「知財担当部署は仕事の効果が見えにくい部署ですが、会社を守る上で絶対にやらなくてはいけない仕事をしている。そういう意味では、会社の要になっていると思います」と語る五十嵐社長。担当部署の真保本部長、本田課長代理、森山氏は、知財に関する知識を深めるため、新潟県発明協会主催のセミナーなどにも参加している。(写真左から本田課長代理、五十嵐社長、真保本部長、森山氏)
弁理士に全て任せるのではなく、まずは社内で検討
精密測定工具とDIY向け商品の製造・販売を主力とする新潟精機株式会社。同社では30年以上前から特許を取っており、15年程前には知的財産の担当部署を設けた。
「海外ではすぐにコピー商品が出回るので、海外、国内ともに、しっかりと知財の権利を取っておくことが必要です。弁理士に全てお任せすることもできますが、それでは社内にノウハウが残らないですし、権利を取得するコストの妥当性も分からない。商品のことを一番知っているのは社員なので、まずは社内で理解を深めてから、権利の申請をするかどうかを決めています」と五十嵐社長は語る。
商品を熟知した説明や事前調査が知財取得のカギ
知財担当部署の真保本部長は「申請の書類自体は長年付き合いのある弁理士に作成を依頼していますが、良い権利を取るためには、良い説明が必要。それには商品のことを熟知していないとできません」と話す。また、スムーズな申請を行うために「出願前に似たような発明がないかを『特許情報プラットフォーム(J-PlatPat)』を使って調べています」と同担当の森山氏。さらに、社内研修など会社全体の知財活動も地道に行ってきたことで「以前よりも特許や意匠などに対する社員の意識が高まりました」と同担当の本田課長代理は語る。
日本人の発想を取り入れ世界中での販売を目指す
近年、意匠登録を多く取得しているのが、「快段目盛」シリーズの各種測定器だ。「快段目盛」とは、目盛に段差をつけることで、数値を読み取るスピードと正確性を向上させた画期的なアイデアの目盛。海外での販売を考慮し、商標登録も行った。
このように海外の出願申請が多い同社は、NICOの「中小企業等外国出願支援事業補助金」を活用してきた。「外国への意匠・商標等の出願は高額な費用がかかるため、非常に助かっています」と五十嵐社長は話す。
「海外メーカーのように安さを追い求めるのではなく、少しでもお客様が使いやすい商品を提案・提供していきたい。こうした日本人ならではの発想を取り入れた商品を社内で企画・開発して、製品化し、世界で販売する。そのためにも知財の権利をしっかり取得していきたいと思っています」と五十嵐社長。会社と商品を守る盾として、そして経営戦略の有効な手段として知財を活用しながら、これからも世界の市場に挑戦していく。
会社情報
新潟精機株式会社NICOクラブ会員
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