湯沢独自の食文化を伝えるこだわりの「からいすけ」
合同会社からいすけ本舗
代表社員 田村 惠司 氏/上村 芳実 氏/富井 松一 氏
湯沢の経営者三人衆が生み出した湯沢の新名物
からいすけは、魚沼地域の伝統野菜であるかぐら南蛮を使った調味料。味噌とジャムがあり、雪国観光圏が取り組む「雪国A級グルメ」にも認定されている。製造販売を手がけるからいすけ本舗は、湯沢町の蕎麦屋主人の田村氏、寿司屋主人の上村氏、旅館主人の富井氏の3人が中心となって平成20年に設立された。
湯沢温泉通り事業協同組合が「温泉通りに活気を取り戻そう」と話し合うなか、浮かび上がった課題は「湯沢には食の名物がない」ということ。そこで、田村氏が店で薬味として出していた、かぐら南蛮の味噌和えを商品化しようということになった。
湯沢の家庭では、昔からかぐら南蛮を味噌や麹と混ぜたものを冬の常備菜にしていた。平成21年に農商工連携の認定を受け、地元農業法人と連携し、製造機も導入。いまでは湯沢を代表するお土産品に育っている。
3人が目指すのは「湯沢独自の食文化を味わってもらうこと」。それを実現するため、頑固なまでにこだわっていることがある。秘伝の自家製味噌を使用、化学調味料や合成添加物を使わない、かぐら南蛮は地元産、湯沢に来て買ってほしいから自分たちで通販はしない、価格は高いがその価値が分かる人に分かってもらえればいい、といった具合だ。「最初は高いと感じても、食べてもらったら味の違いが分かる。人気が出てきたのは、やはり味が本物だからだと思います」と3人は声を揃える。
からいすけへの情熱を語る3人の表情はとても明るい。故郷を想うベテラン経営者たちが起こした新しいムーブメントが、周囲や後進に伝わっていくことを期待したい。
「スタートから8年たって、ようやくからいすけの名前が知られるようになりました。やはり真面目に作ることが大切。からいすけの販売が、地域のかぐら南蛮の生産拡大にもつながっています。」と語る上村氏(写真左)、田村氏(写真中央)、富井氏(写真右)。
かぐら南蛮は地元農家を中心に契約栽培。地元の飲食店ではからいすけを使ったメニューも登場し、旅館では「にいがた朝ごはんプロジェクト」などでの利用も進んでいる。
素材の旨みと、後からくる上品な辛味が見事に融合した「からいすけジャム」。
企業情報
合同会社からいすけ本舗
〒949-6101 南魚沼郡湯沢町大字湯沢488-1
TEL/FAX.025-775-7601
URL http://www.karaisuke.com