一般社団法人 雪国観光圏

2017年07月21日
NICOpress140号新事業展開

雪国の知恵を中心軸に、明確な観光地域づくり戦略を展開

一般社団法人 雪国観光圏
代表理事 井口 智裕 氏

次の世代が誇りを持って住める雪国であるために

雪国観光圏は新潟県魚沼市、南魚沼市、湯沢町、十日町市、津南町、群馬県みなかみ町、長野県栄村の7市町村で構成される広域観光圏で、平成20年に設立された。「スキー客や温泉客が減るなか、次の世代が誇りを持って地域に帰ってくる場所になるために、そして100年後も雪国であるために、地域の“本質的な価値”を作ろうというのが原点でした」と湯沢町のHATAGO井仙の社長であり、雪国観光圏のマネージャーを務める井口代表理事は語る。

雪国観光圏のブランドコンセプトは『真白き世界に隠された知恵と出会う』。自分たちがこだわる雪国とは何なのか、この地域が世界で唯一の雪国だと言える所以は何なのか、というテーマを地元の学芸員らと議論し、3年前に得たコンセプトだ。「それまではこの地域の魅力と思われるものを全て発信していた。縄文時代から人が住み続け、雪国ゆえに育まれてきた知恵こそが世界に誇る部分だ、という中心軸が決まったことで、ようやくひとつのストーリーを持った地域づくりが見えてきました」。

井口智裕
「取り組みを進めて8年。雪国観光圏のブランドを通して、地域の皆さんに“雪国はすごいんだ、そこにいるあなたの価値はすごいんだよ”と気付かせてあげることが自分のミッションだと感じます」と語る井口代表理事。

地域独自の価値を中心軸に地域とお客様をつなぐDMO

その翌年行ったマーケティングで、コンセプトに最も共感する人として「都内在住で40歳くらい、高収入、管理職の独身女性」というコアターゲットを設定。「コンセプトとコアターゲットという中心軸が決まったとき、これからやるべき雪国観光圏の戦略が見えた。これは僕たちにとっては大発見でした」。そのお客様に、雪国観光圏の世界観を体験してもらい、雪国のコアなファンになってもらうためには、宿泊施設のおもてなし、食事の内容、滞在メニューのあり方、紹介する媒体などの意識を統一する必要がある。現在、雪国観光圏はコンセプトに基づき全体のマネージメントや、ワンストップで対応できる窓口の整備を進めている。

多様な資源がある広域観光圏において、核となる中心軸を共有し、それに向かって関係者皆が行動していくことが地域の本質的な魅力向上につながるという。それにより地域の満足度が向上しリピーターを生む。「DMOは地域とお客様の仲人のようなもの」という井口代表理事。「雪国の良さに共感するお客様が来れば、地域の人がより商売を頑張り、雪国って本当に良いところなんだと誇りを持てる。子どもたちも継ぐ気持ちになるし、そうした誇りのある地域にお客様はまた興味を持つ。その先に移住、定住する人も出てきます。DMOは決して観光プロモーション組織ではなく、将来的に移住・定住が生まれることが重要なのです」。

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雪国の暮らしが育んだ知恵や文化は世界に誇る財産である。

地域という視点を持つと自分の商売の見え方が変わる

地域産業への波及効果はこうだ。ある宿がブランドコンセプトに向けた宿づくりをして成功すれば、隣近所の宿も真似をする。さらに、ブランドコンセプトとはかけ離れたと思っていたケーキ屋が麹スイーツ、ラーメン屋が酒粕ラーメンを作ろうという発想が生まれる。中心軸があるといろいろな事業もそこに近づいてくるので、次はそうした事業化のサポートを考えたいと井口代表理事は話す。

その場面で必要になるのは、事業者の本気だ。「ゴールを目指すとなると、絶対に自分の今のビジネスモデルを変えなくてはいけない。本気でやろうとすれば、必ずイノベーションが生まれます。ブランドありきではなく、その価値を事業者が徹底的に追求した先に、ようやく事業が輝き出す。経済波及効果はそこからだと思います」。

まもなく、コアターゲット向け旅行商品を発表し、またインバウンド向けの取り組みにも力を入れている雪国観光圏。いよいよ、100年後に向けた本格的な取り組みが始まっていく。

雪国のコアなファン獲得のために ─

雪国観光圏が取り組む品質認証制度

「SAKURA QUALITY(サクラクオリティ)」

国際的な基準を備えた宿泊品質認証制度を全国に先駆けて導入。お客様の目線から地域や宿を評価し、価値を高めていくことを目指している。

「雪国A級グルメ」

品質管理事業として展開する、食の認証プロジェクト。雪国伝統の食文化を“永久”に守り次世代へ残すために、旅館や飲食店、加工食品業者が賛同し活動する。運営事務局は株式会社自遊人の編集部へ委託。地元産品の使用などの基準を設け、明確に情報公開するとともに、地域の農商工連携を促している。

雪国観光圏03
冬に備える保存食の文化も雪国ならではの知恵

雪国観光圏04 雪国観光圏05
冬の間に根菜を保管する「大根づくら」。ワラを編んで作られる。

企業情報

一般社団法人 雪国観光圏
〒949-6101 南魚沼郡湯沢町大字湯沢2431-1
TEL.025-785-5222
URL http://snow-country.jp

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