株式会社Plugnauts／デザイントーク株式会社

エンジニアとクリエイターがコラボ。
ポップで便利なニット素材の収納グッズ

第30回ニイガタIDSデザインコンペティション2020で準大賞を受賞した「_go（アンドゴー）」。パッキングニットという新しい価値を創り出した商品開発の舞台裏について、開発者のお二人に話を伺った。

株式会社Plugnauts
代表取締役 白倉 重樹 氏

「僕らが作ったのは製品というより、ひとつの機能。できるだけ多くの人に触っていただいて、その声からいろいろ学んでいきたいです」。

デザイントーク株式会社
代表取締役 宮田 里枝子 氏

「アンドゴーというブランド名に込めた、身軽にさっと出かけるというコンセプトのもとで、将来的にはニットに限らず、新しい商品も考えていく可能性もあります」。

360度全方向に伸縮する新素材ニットでプロダクトを

「_go（アンドゴー）」は、ケーブルや充電器などを包んで、簡単にピタッとパッキングできるニット素材のアイテム。手掛けたのは、プロダクトデザインやブランディングを行うデザイントークの宮田氏と、エンジニアでありマーケターでもあるプラグノーツの白倉氏。県内メーカーの商品開発プロジェクトで知り合い、「自分たちのプロダクトも作りたいね」と始めた取り組みだ。

素材は白倉氏が白倉ニット（長岡市栃尾）に在籍時代、糸井重里氏らと『ほぼ日ハラマキ』を作った際に開発した新素材のニット。薄くて丈夫、驚くほど伸縮性があり、「今までに触ったことのない素材」（宮田氏）というものだ。白倉氏のアイデアで収納対象をガジェット類に絞り込み、宮田氏が形にしていった。

クラウドファンディングで目標額の500％を達成

次に仕掛けたのはクラウドファンディング。「自分たちがこれを便利だと思うのはあくまでも仮説で、本当にユーザーも欲しいと思うのかを検証しなければいけません。それを試しました」（白倉氏）。応援購入を募ったところ、なんと目標額の500％を達成。アンドゴーを良いと思ってくれるユーザーは存在する、という確証を得た。

アピールが成功したポイントを、白倉氏は宮田氏が作成したPR動画にあると話す。「実物に触れてもらうことができないので、簡単にパッとまとめられる機能を、見れば分かるように作り込みました。クラウドファンディングは応援の意味が強いので、共感してもらうことが重要です。モノづくりの背景も伝えることで好意を持ってもらえると思い、後半には産地の様子も盛り込みました」（宮田氏）。

アンドゴーを製品に育てるのはここからが本当のスタート

IDSデザインコンペでは、プロダクトデザイン・流通・パブリッシングの各専門家からなる審査員や来場者の意見が参考になったという。「ニットという既に世にあるものに別の用途を見出した、新しい概念を評価していただいた。受賞をきっかけに問い合わせが増え、取引依頼が来るなどビジネスチャンスをいただいた」と喜ぶ。一方で「アンドゴーはここからが始まり。きちんと世の中で使っていただくため、次はできるだけ多くのユーザーの声を聞いていきたい」（白倉氏）と、先を見据える。クラウドファンディングにはオンラインコミュニティの参加権もつけており、用途や新たなアイテムの可能性を探っていく計画だ。近くオンラインストアも開設予定。いよいよ世の中へ向け、アンドゴーの挑戦が始まる。

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