支援のバックアップを受け アメリカ商社への販売ルート開拓
「過去には毎年IDSコンペも出品していて、入賞を目指して商品開発を行っていた時期がありました。いま、仲良くしているデザイナーは、それをきっかけに知り合ったということもあり、いろいろな影響をもらいました」と話す富田社長。
米国商社からのオファーにどう対処するか相談
DIYや内装用道具、園芸関連用具などを製造販売している株式会社富田刃物は、平成28年11月に北米地域(カナダ、アメリカ、メキシコ)における販売を、アメリカの商社と契約。それまで海外への販売が全体の2割だったものが、3割へと伸びている。
独占契約は相手先からのオファーだったが、肝心の相手先の情報がほとんどつかめず、困惑していたときに、NICOに相談したことが、現在に至るきっかけになったと富田社長は振り返る。
「6年前にニューヨークタイムズで、当社の山菜掘り用ナイフが園芸用品として紹介されて、北米からの注文が増えていました。取引先の一社が、毎年注文数が倍以上のペースで増えていて、不思議だなと思っていたところに、独占契約の話がきました。長岡で行われたNICOの相談会で話したところ“それならこういう返事をしてみては”など、具体的なアドバイスをもらえました」。
自分の目で現地を見て決断を下すことができた
その後相手先から、一度アメリカに来るように言われ、費用もかかるため対応に苦慮していた。「その時、NICOの海外展開のアドバイザーの方に『現場に行って見てきた方がいい』と言ってもらった。いま、契約をしてよかったと思っているので、あの時、背中を押してもらえたのは大きかったと思います」。
その視察には海外市場獲得サポートの支援策を活用。いざ視察に行ってみると、大規模な自社倉庫を幾つも所有している会社で、同じ海外でもヨーロッパとのスケールの大きさを肌で感じることが出来たという。「その分、リスクも大きいので断るつもりでしたが、先方の社長が“一緒にやりたいんだ”と何度も話してくるので、受けることに。それも足を運んで、顔を合わせたからこそ決断できたと思います」。
北米市場からの要求に応えられる生産体制へ
現在、アメリカからの要求数に応える体制づくりに注力している同社。「良い品質のまま、大量に作ることにチャレンジしているところです。包装を外注することで、ほぼ整ってきました」。
今後は国内市場の動きがにぶいこともあり、輸出の割合がもっと増えていくと見ている。「アメリカは園芸道具を大切にしていて、良いものを選ぶ傾向にある。例えばAmazonでも高い評価を得るなど、我々の製品の良さを評価してもらえると、社員もそれを見て喜んでいます。売上だけでなく、そうした良い効果も生まれていると思います」。
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