かまくら工房

2018年12月20日
NICOpress160号マッチング支援販路開拓

バイヤーの要望が直接聴ける展示会で市場を調査

かまくら工房 片山 千惠子 氏
片山 千惠子 氏

「販路開拓を支援してくださった方々や、地域の皆さん、貴重な意見をくださるバイヤーさん達などたくさんの方々のおかげで事業を続けることができます」と片山氏。小千谷のお母さんという雰囲気もスーツ姿の多い商談会場で目を引くという。

 

どこの誰に売れるのかターゲットを探すため出展

魚沼産もち米をはじめ県産・国産材料にこだわった「笹かぜちまき」を手掛ける小千谷のかまくら工房。商品化したのは2016年。ふっくら炊いたもち米と具材の素朴な味わいを、丁寧に包んだ笹の香りとともに楽しめる。その美味しさはもちろん、冷凍流通可能な点や食べやすさなど評価が高く、その後3年近くの間に商社やホテル、通販会社との取引が続々と成立し、テレビや雑誌などメディアにも取り上げられた。これらのオファーを得たのが展示会だという。
女将の片山氏がちまき製造販売を始めたきっかけは「おぢや☆ちまき総選挙」でグランプリを獲得したことだった。主催のおぢや食おこし隊も事業化を後押ししてくれた。しかし、会社経営経験はあったものの、畑違いの業界で食品はまったくの素人。「どこの誰に売ったらよいかまったく分らず、そんな時に展示会を勧められました」と片山氏は話す。

 

出展を重ねるごとに深まるノウハウとバイヤーとの関係

初めて出展した県内の展示会では6次産業化のブースに出展したことが影響しコラボレーションの誘いが多かった。次に参加した東京流通センター(TRC)の展示会は、売り先は定まらなかったが、多くのバイヤーと接するうちに「通販向きの商品だ」という方向性が見えてきたという。
2017年にはNICOのうまさぎっしり新潟・食の大商談会に出展し、新規顧客を獲得できた。「TRCでお会いしたバイヤーさんにも再会しお話ができました。展示会に出続けると顔見知りが増え、声を掛けて頂きながら良い関係を築いていける。そこで商品へのニーズもつかむことができます」。着物に割烹着姿で明るくブースに立つ片山氏。作り手の、誠実で温かい人柄まで伝わるような、丁寧な応対を通じてバイヤーの信頼度も高まり、取引につながっているようだ。

かまくら工房  出展

商談会では片山氏のほか若い女性スタッフも配置。バイヤーも年代層が広いので話しやすい雰囲気を心がけている。ディスプレイは店頭や消費の場を再現し、販促ツールは反応を見ながらブラッシュアップする。

 

「これが欲しい」に柔軟に応じることで新市場も開拓

「最初は自信がなく、ちまきの規格もブランドもなかった」と話す片山氏は、商談ではひたすら要望を聞くことに徹した。ホテルからは「バイキング用に小さなものが欲しい」、通販会社からは「価格でバッティングしないよう具材を変えて欲しい」、小売店からは「何個かセットで販売したい」などあらゆるニーズが出てきた。これらをすべて吸収して商品化。レギュラー商品や、まとまった金額の取引が生まれ事業拡大に拍車が掛かった。片山氏は展示会は市場調査の場でもあり、ニーズを反映させれば市場開拓につながると実感している。
「NICOの展示会事前セミナーで『地産外消をしましょう』と言われました。小千谷市だけなら井の中の蛙で終わっていたものが、外の風に当たることで広がりました」。今後も新商品を企画し、関東など大都市圏での販路拡大を進めていく。

和牛とかぐら南蛮、鮭、山菜などさまざまな具材が楽しめる「笹かぜちまき」。季節商品もあり、クライアントの要望に応じる。すべて手作りで量や具材変更にもできる限り対応している。

 

展示会活用のポイント

  • NICOの事前セミナーを活用し情報収集
  • 気軽に声を掛けやすいブース対応
  • 商談で得た取引先の要望に柔軟に対応する

会社情報

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TEL.0258-86-8252
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