株式会社永徳

2018年11月08日
NICOpress159号マッチング支援新商品・新技術開発販路開拓

村上の気候風土を活かし伝統製法を守る鮭加工品づくり

株式会社永徳 代表取締役社長 永田 政義 氏
代表取締役社長 永田 政義 氏

「今は鮭の商品が市場に増え、村上の伝統的製品の類似品も出てきていますが、この地の気候風土を利用した商品というのは、他の地域では絶対にできない。それが差別化に繋がっていると思います」と語る永田社長。

 

村上特有の冬の季節風に晒すことで生まれる味

平安時代には京都へ鮭を献上していたと伝えられ、江戸時代には鮭の自然ふ化増殖に成功した村上は、独特の鮭文化を築いてきた町。昭和9年創業の株式会社永徳は、この地に受け継がれる伝統を大切にしながら、創意を凝らした鮭の加工品の製造販売を行っている。
代表的商品の「塩引鮭」「鮭の酒びたし」も、先人の知恵が生んだ伝統的な鮭加工品。雄の秋鮭と塩だけを原料に、昔ながらの手作業で仕込むが、何より大切なのが『村上の気候風土』を活かすことだという。「当社では原料確保のため北海道産の天然鮭も使いますが、村上で作らなければこの味は生まれません。冬場の鮭が凍結しないぎりぎりまで下がる、この地域特有の適度な低温と多湿な冬の季節風に晒し、ゆっくり熟成させることで、うま味成分のアミノ酸が増えるのです」と永田社長は語る。

株式会社永徳 「塩引鮭」「鮭の酒びたし」
株式会社永徳 「塩引鮭」「鮭の酒びたし」
伝統の製法で作る「塩引鮭」と「鮭の酒びたし」。酒びたし用の鮭は、真冬から梅雨頃まで半年間かけて干すことで、うま味が凝縮する。7月の村上大祭で初物をふるまう慣習が、今も残っている。

 

三面川の秋鮭のみを使用した鮭の削り節を開発

同社では今年、三面川の鮭を使った「さけ削りぶし」と、削り節の製造過程で出る粉末を利用した「しょうゆ」「ぽん酢」を発売した。三面川に遡上する秋鮭は脂肪分が少なく、削り節に向いていることから、本州では珍しい鮭節を約2年かけて開発。同社で下処理をした鮭を静岡・焼津のかつお節メーカーに送り、5日間手作業で焼く昔ながらの製法で仕上げている。「村上の伝統的な製品を守り伝えるという反面、新製品が手薄になっていることもあるので、今のニーズにマッチした商品も提案していく必要があります」。
鮭の活用に長けた村上ならではの価値ある商品として、8月頃から県内スーパーでの取り扱いも始まり、特色ある地元の食材として好評だという。

株式会社永徳 「しょうゆ」「ぽん酢」
株式会社永徳 さけ削りぶし
1、村上市内の醸造元の醤油を使い、削り節のうま味成分を抽出した「だし醤油」を活用した「三面川の鮭ぶし」シリーズ。
2、鮭の削り節は、湯豆腐などにかけるのがおすすめ

 

村上の鮭文化を守りながら海外への輸出も視野に

直営店「鮭乃蔵」の2階には約1万本の鮭を吊るすことができる干場があり、希望があれば見学も可能。村上ならではの風景が見られる施設として、観光客の集客にも繋がっている。また、NICOの食の大商談会をはじめ定期的な展示会出展など地道な販路開拓をはじめ、近年はカタログ販売、自社のHPや大手ネットショップでの販売にも力を入れている。
「今は日本の鮭がアジア圏に輸出・加工され、ヨーロッパで販売されている状況があります。村上の加工品の輸出は皆無に近いので、将来は海外にも製品を輸出し、食文化を広めていければと思っています」と永田社長。村上の鮭文化を守り伝えていく使命を持ちながら、現代に合わせた商品開発や販路開拓を進めている。

株式会社永徳 鮭乃蔵
株式会社永徳 鮭乃蔵
店頭に吊るされた鮭が印象的な直営店「鮭乃蔵」。近年は外国人観光客も多いことから、免税販売も行っている。

 

ポイント

  • 気候風土を活かした伝統的製品で差別化
  • 三面川の鮭の特性を活かした新商品を開発
  • 伝統の製法・食文化を守りながらニーズに合わせた商品を開発

会社情報

株式会社永徳

〒958-0876 村上市塩町4-5
TEL.0254-52-6141
FAX.0254-52-7097
URL https://www.nagatoku.jp

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