新和メッキ工業株式会社

2016年05月25日
NICOpress131号新技術開発

逆境からの学び、周囲への感謝が未来を創る

新和メッキ工業株式会社
代表取締役 瀧見 直人 氏

現状維持ではなく次の展開を常に考える

昭和36年に創業した新和メッキ工業は、暖房器具やガス器具部品の装飾メッキ、防錆メッキを中心に手がけている。「全数検査をきちんと行って、不良品は絶対に納めない」という方針で業務に取り組み、取引先からの信頼を得てきた。最近では、平成26年、27年と2年連続でものづくり補助金を活用しての設備投資を行うなど、その積極的な姿勢にも注目が集まっている。

瀧見社長が、創業者である父親から会社を引き継いだのは平成2年のこと。「社長という仕事は苦しいことの方が多い」と話す瀧見社長は、「今請け負っている仕事が、未来永劫続くと思ってはいけない。現状維持ではジリ貧になるから、常に先を見て動かなければならない」と語る。そのことを瀧見社長は、会社が窮地に陥った経験から学んだという。

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「社長は雑用・トラブル解決係」と笑う瀧見社長。飾らない人柄で、経営状況についても社員にざっくばらんに話すという。

苦しい状況からの回復で得た学びと自信

1度目のピンチは、入社して間もない2年後の昭和57年、暖房器具メーカーからの受注増を見込んで、先代が量産化のための自動機を投入したことがきっかけだった。その年から3年間暖冬が続いて受注が伸びず、負債が2億円に膨れ上がった。倒産の危機を感じながら、社長の片腕として立て直しに必死な毎日を送り、個人資産の売却や経費削減、新規開拓など、あらゆる手段を講じ、またいろいろな人に相談したという。その成果もあって、次第に業績は回復し、6年目には欠損を解消できた。

その後、社長に就任してからは好調が続いていたが、平成15年にはある部品の受注が急激に減って、再びピンチに。この時は亜鉛バレルメッキからの撤退、従業員の解雇などの辛い決断を経験した。

「やりがいを感じるのは新しい仕事の生産ラインを立ち上げて、それが軌道に乗ったとき」と語る瀧見社長だが、それは会社や従業員のために、次の手を打つことができたという充実感や安堵がそこにあるからだろう。

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週1回、メッキ液の濃度などを検査し、補給量などを指示するのは社長の役割。メッキ液のバランスが崩れると良い仕上がりにならないため、もっとも重要な作業だ。

経営者としての経験を後継者に言葉で伝える

「会社経営は“運”も必要だと感じます。私が大変な時を何とか乗り越えられたのも、ここぞという時に新しい仕事をいただけるなど、ついていたと思います」とも語る瀧見社長。しかし、その幸運を引き寄せるのは、「とにかく周りに感謝する」という考え方や、絶対に諦めない気持ちがあるからこそだ。

「仕事でも何でも、“自分が、自分が”ではいけない。何事も周囲の人のおかげであり、いつも皆に感謝することが大切です。不思議なことにそうしていると、何かあったときには、必ず誰かが助けてくれると感じます」。

こうした経験を、瀧見社長は後継者である息子に、できるだけ言葉で伝えているという。「私自身は父から何も教わりませんでしたが、息子には教えたい。知っていれば、何かの時にきっと役に立つと思う。彼はいま、新しい生産ラインを稼働させようと頑張っていますが、5年先にはまた新しいことに取り組んでいなければならないと話しています」。

前進する経営方針と、周囲への感謝という社長としてのポリシーは次の世代へと受け継がれ、同社の歴史を紡いでいく標となっていくはずだ。

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ものづくり補助金を活用して整備した、アルミに無電解ニッケルと金メッキを施すライン。平成28年2月から稼働予定。

企業情報

新和メッキ工業株式会社
〒943-0821 上越市大字土橋1631
TEL.025-524-5426 FAX.025-524-5498
URL http://www.sinwa-mekki.com/

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