従業員が活躍できる環境を 作ることが社長の役割
株式会社ハーモニック
代表取締役社長 柄沢 利文 氏
「選べるギフト」事業の可能性を信じ後継者に
冠婚葬祭ギフト、法人ギフトなど「選べるカタログギフト」の総合企画販売で、ギフト業界のトップクラスを誇る株式会社ハーモニック。金物卸業から始まり、昭和47年にギフト業界参入、平成4年からカタログギフト販売を開始した今年70周年を迎える同社を率いるのが、4代目の柄沢社長だ。
柄沢社長は東京の大学を卒業後、県内の大手銀行勤務を経て30歳のときに同社に入社した。「当時は選べるギフトが認知されていませんでしたが、今後まだまだ伸ばしていける事業であると思いましたし、昔から“柄長”という屋号で地元に親しまれてきた会社に対する思いもあったので、一つのチャンスと捉えて家業に入ることを決めました」。入社後は主に東京支店開設と首都圏を中心にした販路拡大に携わり、平成23年、40歳で社長に就任した。
「新潟のみならず全国にいるスタッフが成長してくれること。それが自分自身の成長にもつながることが社長としてのやりがいです」と語る柄沢社長。
ハーモニックに関わる人全てが 活躍できる環境を
「ギフトという業種は、形として人に見える仕事。それが銀行員時代にはなかった楽しさであり、やりがいでもあります」。実用性の高いモノ、美味しいモノ、あるいは体験型ギフトなど、日常生活の中で“あったらいいな”と感じられる商品を揃え、人から人へ思いを伝える橋渡し役ができることが、ギフトという事業ならではの喜びと語る。
また、社長の役割として大切にしているのは、従業員をはじめハーモニックに関わる人全てが活躍できる環境を作ることだ。「働きやすい環境づくりというよりも、活躍できる環境づくりであったり、従業員たちのモチベーションを上げていくのが社長業だと思っています」。その上で日頃から社員に伝えているのが、上司や部下、同僚、取引先に対しても「聞く耳を持ちなさい」ということ。正社員の平均年齢が約30歳と、若手が活躍している同社だが、「素直な気持ちで仕事に取り組むことが大事」と語りかけているという。
新しいギフトの領域にチャレンジしていきたい
県内企業の後継者に向けて、「私自身も会社も地元で育てていただいたので、新潟のお役に立ちたい、新潟のモノを世に出したいという気持ちがあります。ここから販路や事業を拡げることはまだまだ可能だと思うので、ぜひ新潟に帰って会社を継いでいただきたいですね」と柄沢社長。
こうした地元への思いから生まれたのが、昨年10月に発刊した選べるカタログギフト「新潟の贈り物」だ。NICOの支援策も活用し誕生したこのカタログは、食品をはじめ匠の技が光る製品、温泉入浴チケットなど新潟に特化した商品を掲載。県外の方へのお歳暮や土産品などに利用されるなど、個人だけでなく企業からの評判も良いという。
「カタログギフトは今、2千億円の市場ですが、個人対個人のプレゼントまで入れるとギフト市場は10数兆円まで広がります。そういう意味でも人が何を好み、どういうモノを選びたいのかということを考えながら、新しいギフトの領域にチャレンジしていきたいと思います」と意気込みを語る柄沢社長。「思いやりや感謝の気持ちをつなぐ」という使命を胸に、社員とともに新しいギフトの世界を切り拓いていく。
「新潟の贈り物」は県産品約80品とともに、県内の観光名所なども紹介。カタログギフトを通して全国に新潟の魅力を発信している。
新潟の「美味さ」「上手さ」「巧さ」をテーマに、新潟が誇る食品、温泉やレストランの体験ギフト、燕三条地域の製品などを揃えている。
企業情報
株式会社ハーモニック
〒955-8567 三条市北入蔵3-10-20
TEL.0256-38-0008 FAX.0256-38-0010
URL http://www.harmonick.co.jp