株式会社スナップ新潟

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2020年01月31日
NICOpress168号創業新事業展開補助金

新潟の起業家と支援者が集い
スタートアップがここから生まれる

県内4ヵ所に設置された民間スタートアップ拠点のなかでも、中核拠点として位置づけられたスナップ(Startup Niigata @ PLAKA)。新潟の起業家たちとそれをサポートする支援者たちが集い、文字通りスタートアップが生まれる場所を目指し、いま動き出している。

株式会社スナップ新潟 代表取締役社長 逸見 覚 氏
代表取締役社長 逸見 覚 氏

「自分が起業したから分かったことですが、起業はひとりだと絶対に心が折れる。あいつも頑張っているから、自分も頑張ろうと思える環境は必要。同じ志を持っている人が集まってわいわいやるところに、社会人や行政のいろいろな人が来て何かが生まれるような空間になるといいなと思っています」と話す逸見社長(写真右)。

起業経験者として起業家の卵たちと向き合う

新潟駅南のプラーカ3・1階にあるスナップは、新潟県が進める官民連携による起業創業支援の民間スタートアップ拠点として昨年10月に始動した。運営代表を務める逸見社長は「新潟県、そして県内各地の民間スタートアップ拠点ともネットワークをつないで、オール新潟で開業率を上げていきたい」と抱負を語る。
けんと放送の経営者でもある逸見社長は、今回のプロジェクトに際し、あえて起業家としてスナップ新潟を立ち上げた。「4年前からプラーカ3の2階に、コワーキング・レンタルオフィスのHub Station KENTOを始めていたので、けんと放送が事業拡大として進めると話が早いとは思ったのですが、そうすると僕自身に起業経験がないため、メンターとして親身になって相談にのれない。それでは良くないと思ったんです」。
事業内容は大きく分けてふたつ。ひとつめは「スナップ」施設の運営。起業に関するイベントや、新潟大学伊藤准教授のサテライト講座などが開催される。「この場所に起業をめざす人や、それを応援したい社会人が集まってくるようにしたい。賑わいを作って、起業・創業の機運を高めるというのが、スナップの役割のひとつです」。

株式会社スナップ新潟 イベントやセミナー
株式会社スナップ新潟 株式会社スナップ新潟 イベントやセミナー会場

株式会社スナップ新潟 イベントやセミナー

スナップでは起業に関するイベントやセミナーが開催される。「オンラインと、スナップというリアルの場を両輪で回していきたい」と逸見社長。すでに、スナップで起業志望の学生と企業の社員が偶然会って意気投合し、繋がっていく例も生まれている。

 

 

オンラインでつながり起業家の熱を冷めさせない

ふたつめの取り組みが、オンラインコミュニティ、「スナップサロン」の運営だ。スナップサロンはスラックというビジネスチャットツールを活用し、起業したい人、メンター、支援者や支援企業などがオンライン上でコミュニケーションを取れる場となっている。
起業をめざす人は無料で登録でき、自分の事業アイデアや悩んでいることなどを書き込んでいく。それを読んだメンターや支援者、同じように起業をめざしている人がアドバイスを送るといった仕組みだ。アポイントを取って会うのはハードルが高いが、オンラインなら思い立ったら時間を気にせず書き込めて、対応する側もすぐに反応できる。また、事業内容が具体的になっていない人に対しても、こうした場所なら話を聞いてあげることができると逸見社長は話す。「起業を志しても、結果として諦める人が多いのは、自分の思いを誰かに話す場もないし、誰にも認知、承認されていないという孤独感のせい。起業熱を冷めさせない、さらに高めてあげる応援をしていきたい」。
起業希望者の書き込みに対し、サロン参加者はコメントを入れたり、SNSの「いいね」的なスタンプを押して応援する。さらに、スナップサロンでは「コインスタンプ」という独自の評価システムが利用できる。コインスタンプを集めると、起業に必要なパソコンなどの備品や、コワーキングスペースの利用、弁護士への相談といったモノやサービスに変えることができるというシステムだ。

株式会社スナップ新潟 ㈱Ripariaを起業した新潟大学院生の室田さん(写真中央)、小林さん(写真右)

㈱Ripariaを起業した新潟大学院生の室田さん(写真中央)、小林さん(写真右)の相談にのる逸見社長。「彼らを始め、大学生起業家が目指しているのはいわゆるスタートアップ。彼らの思いを最優先にしてバックアップしていきたいですね」。

 

起業への本気の気持ちが評価・価値に変換される仕組み

「特に学生は起業の費用のためにバイトに明け暮れて、バイトをしている間は自分の事業は全くブラッシュアップできない。オンラインサロンならアドバイスをもらって、それを取り入れることができます。そのブラッシュアップに対して、お金ではないけれどモノやサービスに変えられる評価をつけることが、起業への近道になると考えました」。
コインスタンプは、今後募集する法人や個人の支援パートナーに権利が与えられ、法人パートナーは月額一口3万円で200コインスタンプを押す権利を持てる※。多彩な業種のパートナーが参加すれば、さまざまな角度からアドバイスをもらえることになる。また、企業にとっても成長のチャンスだ。「応援していた人が起業するときに資本提携や業務提携をしたい、この人と共同で新規事業をやりたい、といった話をスナップがマッチングできたらいいと思っています。また、頑張ってきた学生が起業しない道を選んだとしても、志のある人材を支援してきた企業が採用し、社内ベンチャーでやらないかと誘うといったつながりも生まれるのではないでしょうか」。
公認会計士や弁護士の団体からも支援の申し出があり、支援企業の数が今後のポイントだ。「最近は若くして成功し、新潟を自分の経験やお金で支援したいという新潟出身の経営者も出てきています。先輩起業家が支援し、支援された人が起業してうまくいったら、今度は支援パートナー側になって次の世代を支援する。そういうエコシステムを新潟で完成させたいと思います」と話す逸見社長。これからのスナップの動きにぜひとも注目したい。

※個人の場合は月額一口1万円、70コインスタンプ

 

ポイント

  • オンラインとリアルで起業熱を高めるしくみづくり
  • 起業家と支援企業をつなぐオープンな環境を提供
  • 起業家への評価がモノやサービスでの支援にもつながるシステム構築

 

企業情報

株式会社スナップ新潟

〒950-0917 新潟市中央区天神1-1 プラーカ3 1階
TEL.025-278-3892
FAX.025-333-9767
URL https://snap-niigata.co.jp

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