レトロな街並みが見直され、人気を呼んでいる新潟市中央区沼垂に開業したゲストハウス「なり」。宿泊施設としてだけでなく、旅人と地元の人が交流する場として、いま静かにその存在感を発揮し始めている。
築90年以上の古民家で営むゲストハウスへようこそ
なり ─ nuttari NARI ─
オーナー 大桃 理絵 氏
長野のゲストハウス経験が起業を決意するきっかけ
新潟市の沼垂にオープンした「なり-nuttari NARI-」は、最大19名が宿泊できるゲストハウスだ。オーナーの大桃氏は勤めていた会社を退職後、友人に誘われて長野のゲストハウスの立ち上げに参加。日々さまざまな出会いが生まれるゲストハウスの面白さに魅せられ、起業を決めた。
新潟に戻って物件を探すうち、沼垂テラス商店街を運営する「㈱テラスオフィス」が、地域の空き家活用として物件の借り手を探しているという情報を得る。現場を見た大桃氏は築90年以上という古民家に一目ぼれ。そして生まれたのが現在の「なり」だ。
「ゲストハウスは自分が毎日普通に暮らしているところに、毎日友人が遊びに来てくれる感覚。自分の生活を整えている延長線上に仕事がある感じです」とオーナーの大桃氏。
経営は素人。しかし「覚悟」だけは自信がある
昔から起業を意識していたわけではなく、資金も経営知識も無かったため、IPC財団で創業のためのレクチャーを受け、事業計画書と3年分の収支計画表を作成。それを持って銀行へ融資を申し込んだ。さらにNICOの新潟創業加速化事業の支援も受けた。「素人が起業するので大変だろうと思っていましたが、支援機関の皆さんがとても親切で。補助金も多いし、他県と比べて新潟は起業しやすい環境だと感じました」。
現在は自分を含めて3人で運営し、夏にはもう1人増やす予定だ。「それぞれのスタッフが得意なことを担当して、みんなでやっていこう、というのが私の考えです。みんなに頼りっぱなしですが、ここをやっていく覚悟だけはある。私が責任持つから、みんなで一緒にやろうよ、という感覚です」。
建物は友人の大工さん協力によるリノベーション。ベッド以外は全て共有スペースとなる。古民家を活かした内装やインテリアなど居心地の良さも魅力。
「なり」をきっかけに新潟を知ってもらいたい
開業から半年近く経ち、「なりに来たくて、初めて新潟に来てみたら、想像以上に良かった」という人も増えているそうだ。「最初は新潟の情報発信地になろうと思っていましたが、発信というより、なりに来た人が新潟のファンになってくれて、それが広がっていく感じがいいのかなと感じています」。
今は日本人客が多く、予約が週末に集中するため、今後は外国人旅行者にアピールし、平日の宿泊を増やしたい考えだ。「お客様と接するときは、仕事じゃない感覚というか、自然体なので、来た人もリラックスしてくれるようです。ここに来ると気持ちがまっさらになる、そんな場所にしていきたいと思っています」。
館内には宿泊者以外も利用できるバーがあり、旅の人と地元の人がお酒を飲みながら話をする光景が見られる。
4つの部屋はそれぞれ四季がテーマになっていて、写真は春がテーマの女性専用ドミトリー。
NICOのコレを活用!
平成28年度新潟創業加速化事業(U・Iターン枠)を活用。ゲストハウスの開業準備費用に充てた。
企業情報
なり ─ nuttari NARI ─
〒950-0075 新潟市中央区沼垂東2-11-31
TEL.025-369-4126
URL http://nuttari-nari.com/