有限会社岩松水産

2017年03月13日
NICOpress136号販路開拓

年末の大量受注にも対応できるシステム構築で急成長

有限会社岩松水産
代表取締役 渡邉 二三夫 氏/店長 山田 智子 氏

得意分野のサーモンを前面に打ち出し、存在感を発揮

創業120年余りの魚屋の岩松水産は、「サーモン専門店 岩松」を楽天市場とYahoo!ショッピング、Amazonに出店し、鮭やいくら醤油漬けをはじめとする水産加工品を販売。三条と新潟にある実店舗の2.5倍近い売り上げをネットで積み上げている。

きっかけは、2009年に渡邉社長が、商工会議所主催のネットモール勉強会に参加したこと。「初年度費用が無料となる特典があったので、楽天市場へ出店しました。ユーザーは専門店を求めていると聞いて、強みだったサーモンで行こうと決意。最初は売れませんでしたが、楽天の方にうちの商品を見てもらう機会があり、実店舗でも販売している厚さ1.5センチほどのサーモンの切り身10切れ入りを“この商品はすごい”と褒めてくださって、販促のバックアップをしていただけました」。

それが功を奏し、その年の年末には1日30~40件、ピークは230件の注文が舞い込み、初年度で実績を上げることができたという。

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「実店舗での商品を、そのままネットで販売できたことも成功のポイントでした。ネットも実店舗もお客様にしっかりと向き合う姿勢は変わりません」と話す渡邉社長(左)と山田店長。

受注システムの導入でスムーズな顧客対応が実現

しかし、システム料金や広告費がかかるようになった2年目は、売上が倍になったにも関わらず、収支が合わない事態になった。そんなとき、ソフト関連会社での勤務経験がある山田店長が運営に参加。マネジメントを任せたことで、3年目は年末売上が前年と同じでも黒字になり、その後は順調に成果を上げている。

山田店長は「例えばイクラ1,000円、送料無料といった、配送料やシステム使用料等を含めると赤字になる企画はやめました。広告も精査する一方で、注文・配送の効率化を図るための受注システムは絶対に必要なので、社長と相談し、導入させてもらいました」と振り返る。

注文がピークとなる12月を見据えて、1日の注文受付可能件数をはじき出し、それを超えたら翌日に回す、といった仕組みを整える一方で、2週間分の出荷リストを作成し、欠品、売れ残りがないように管理。また、宅配業者と連携することで、ユーザーの需要に応えている同社。その結果、昨年末には1日の出荷件数が1,800件という日もあったという。

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人気の看板商品はいくら醤油漬けや、厚みのあるトラウトサーモンの切り身、新巻鮭など。老舗だからできる高い品質がリピートにつながっている。

リアル店舗とネットショップそれぞれの良さを大切に

運営で意識しているのは、まずお客様への対応をしっかりすること。送料などの知りたい情報や疑問に対する回答がページ内ですぐ見つかるようにしている。また、年配の顧客も多いので、見やすい大きさの文字を使っているという。

最近は鰻やカツオのたたき、銀鮭の塩こうじ漬けなど、自宅用に利用できる商品を増やし、リピーターから好評を得ている。実店舗で1年間に接客する人数を、ネットでは1日で接客している計算になり、会社としてはネット強化がダイレクトに成果につながるという。一方で、実店舗は地域密着という魅力があるそうだ。「どちらの形も大切で、両方のお客様にずっと必要とされる店で有り続けたいし、訴求し続けていきたい」と語る渡邉社長。今後の展開に注目したい。

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商品の魅力がよく伝わる写真は社員が撮影。毎週セールを実施し、ユーザーや時間をセグメントしたターゲティング広告やメルマガも配信。

ECサイト

  • ショッピングモール出店(楽天市場、Yahoo!ショッピング、Amazon)
  • 「サーモン専門店 岩松」 http://www.iwamatsu-salmon.com/

企業情報

有限会社岩松水産
〒950-2112 新潟市西区内野町533-14
TEL.025-262-2225 FAX.025-262-2140
URL http://www.iwamatsu-salmon.com

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