株式会社カネタ建設
代表取締役 猪又 直登 氏
家づくりからリフォーム、そして介護事業を手がける株式会社カネタ建設。「皆さんの“家”に対する思いを大切にして、夢の家を建てるお手伝いと、建てた先のこともお手伝いしていきたい」と熱く語る猪又社長のもと、社員一人ひとりがいきいきと働いている。そんな職場の在り方が、いま県内外から注目を集めている。
夢を形にした家で いつまでも楽しく暮らせる 人生までをサポート
オンリーワンの家づくりで 業績がV字回復
株式会社カネタ建設3代目の猪又社長が入社したとき、公共事業を中心に仕事を請け負っていた同社の経営はかなり厳しい状況だった。「このままではいけない」と2年後に社長に就任し、大幅な業務の転換を行った。それは原点に立ち返ること。
「創業時は建築屋で知られていたので、改めて新築住宅に力を入れてブランドを作っていかなければと思いました」と猪又社長は振り返る。
「お客様は一人ひとり違う。それに合わせて造るのが当社の家だ」というベテラン社員の意見に皆が同意し、同社が打ち出したのはヒアリングに力を入れたオンリーワンの家づくり。さらに、女性の若手設計士が、施主の奥さまと同じ目線で提案するスタイルも共感を呼び、すぐ地域トップシェアを確保。売上もV字回復となった。
「入社時は経営の素人で、社員との衝突も経験しましたが、今は従業員を幸せにしたい、と堂々と言えるようになりました」と語る猪又社長。経営者へと成長した様子が感じられる言葉だ。
毎年恒例のイベントは 社員を見てもらう人の展示会
同社は毎年夏、社員総出で「オレンジフェア」という感謝祭を行う。今年は広場に巨大プールを造り、スライダーなどの水のアトラクション、トルネード流しそうめんなどを企画。3,000人もの来場者が楽しんだ。
始まりは、若手社員に達成感を経験させたいという思い。40歳以下の委員会を作り、自分たちがやってみたいことを提案させた。そこで感謝祭の企画が出され、継続と毎年のグレードアップを条件にゴーサインを出した。当時21歳の女性社員がリーダーを務め、困難も多かったが、最終的には全員が団結。イベント成功に充実感を味わったという。
「会社を作っていくって、こういうことなのかと思いました。このイベントは当社の商品を作っている人間を見ていただく機会。いわば社員の展示会です」。
糸魚川の夏の恒例イベントとなったオレンジフェア。話題を集め、県外から視察にくる企業もある。「課を超えて、社員同士がお互いを分かり合える機会。外への感謝祭といいながら、実は社内への感謝祭になっていると思います」と猪又社長は話す。
住み慣れた家でずっと 元気に過ごすために
2011年1月、同社は介護事業部・ライフケアおれんじを立ち上げ、訪問介護、居宅介護支援、介護タクシー、家政婦(夫)紹介、介護リフォームを開始した。「訪問介護事業について相談されて調べるうち、当社は夢を持って家を建てる人=若い世代(一次取得者層)を応援してきたけれど、糸魚川の人口の4分の1近くを占めるボリュームゾーン=(後期)高齢者には何の貢献もできていないと感じたのがきっかけです」。
今年8月には運動・認知機能訓練型デイサービス「らっくねす」をオープン。ストレッチやエクササイズを通して筋力維持・回復を図り、健康寿命を伸ばすサポートをしている。
今後、同社が目指すのは「糸魚川で、屋根の下で暮らすことに関するサービスをトータルで提供する企業」。イベントで培った団結力と機動力で、必ずその夢を叶えていくことだろう。
今年8月にオープンした「らっくねす」は、糸魚川市初となる予防介護に特化した半日型デイサービス。高齢者の健康と元気をサポートしている。
ここがポイント
◆ 会社の個性を明確にブランド構築
◆ 専門分野からの視点で地域貢献を考える
◆ 社員の自主性を育てる取り組み
企業情報
株式会社カネタ建設
〒941-0062 糸魚川市中央2-4-2
TEL.025-552-0456 FAX.025-552-9295
URL http://www.kaneta.co.jp