株式会社MGNET

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2016年03月04日
NICOpress129号商品開発・販路開拓

名刺入れづくりを通じて掴んだ ものづくりの本質

株式会社MGNET
代表取締役 武田 修美 氏

市場性が無いと言われた 金属製名刺入れへのこだわり

株式会社MGNETは自社ブランドの名刺入れの企画製造販売、名刺入れ専門店の運営を手がけ、最近はプロダクトのマネジメントやブランディング、製造業の広報・PR活動などへ業務の幅を広げている。

燕市にある株式会社武田金型製作所の事業部として、加工が難しいマグネシウム製の名刺入れづくりからスタートした同社。しかし、周囲からの意見は厳しかったという。

「名刺入れは革製が圧倒的に主流で、金属製名刺入れに市場性はないと言われました。確かに前例はなく、当初こだわっていたマグネシウム製ということに価値を見出す人もかなり少ないので、そう言われて当然だったと思います。それでも10年間、機能性や美しさを追求してきて、そのデザイン性やひとつの金型でさまざまな素材が作れるという個性に共感してくれるお客様が現れるようになって“この製品を望んでいる人はいる”という自信になりました」と武田社長は語る。

NICO129_P04_takeda

「事業を始めて以来、デザイナーやクリエイターの人と関わることが多く、考え方からたくさんの影響を受けてきました」と語る武田社長。

経験から掴んだデザイン思考で ものづくりをディレクション

客層が見えてきたことから、最近はコアな消費者に届く売り方に力を入れている。また、百貨店のメンズスーツ売り場や着物デザイナーとのコラボレーション、名刺入れをマネークリップに代わるセカンドウォレットとして使う提案などの取り組みも始めている。

一方、数年前からものづくりに関して相談されることが増え、ものを作りたい東京の企業と、ものを作れる燕三条の工場を繋ぐディレクションを手がけている。そこには名刺入れの開発・販売を通して身に付けた、デザイン思考が活きているようだ。

「知り合いのデザイナーの方から、『ものをどうやって作るか、それをどう届けていくか、という仕組みづくりは設計だから、デザインと考え方は同じ』と言われたことがあります。最初はピンとこなかったのですが、意味が分かってきて、自分はディレクションを仕事としてやっていいんだと思うようになりました」。

NICO129_P04_FACTORY_FRONT様

「FACTORY FRONT」と名付けた社屋。「燕三条の製品や作り手について、まるでホテルのフロントマンのように心地よい説明ができる存在になりたい」という意味が込められている。

感性で動くことを ためらわない勇気を

作り手として、またディレクションをする立場として、ものづくりに重要なのは“届けたい人に対する思い”だと語る武田社長。「当社のお客様は、サービス業など別の業種からものづくりに挑戦する会社が多いので、“なぜ、ものづくりをするのか”というステートメントを1年かけて作ります。その本筋さえしっかりしていれば、何でも売れると思っています」。

また、「日本人は感性で動くことをためらう人が多い。作り手の立場になると、つい考えてしまうようです。自分の経験でも、絶対に良いと思って送り出しても、売れないと自信がなくなる。けれど、良くなろうと頑張っていると、いいねと言ってくれる人とまた出会えるという繰り返しで、ブランドになっていくのだと思います」と語る。

今後は、地域の若い世代のためにも「新潟にこんな会社があるんだ」という存在になっていきたいという武田社長。「例えるならGoogleのような何をしているのか未知だけど格好いい、という会社にしたいです」。名刺入れのデザインから、地域のソーシャルデザインへと、その活動はさらに広がりを見せていきそうだ。

NICO129_P04_名刺入れ

著名なデザイナーから「ここまで引き算で作ったものはない」と、その美しさを評価された名刺入れ。経済産業省「The Wonder 500 ™」にも選出された。

企業情報

株式会社MGNET
〒959-1289 燕市東太田 14-3
TEL/FAX.0256-46-8720
URL http://mgnet-office.com/

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