麒麟山ブランドをデザインで表現する大切なパートナー

「社員だけで仕事をしていると型にはまった考え方になりがちですが、石川氏は私たちとは違う視点で麒麟山酒造を見てくれるので、時には鋭いご指摘を受けることもあります。そういう点でも非常に信頼してお仕事をさせていただいています」と話す向田氏。
商品のデザインやブランディングを一から見直し
1843年創業の麒麟山酒造株式会社は、地元の米と水を原料に、飲み飽きしない淡麗辛口の日本酒を追求している蔵元。現在パッケージのデザインは、新潟市のデザイン事務所・フレームが手がけている。丹精こめて作り上げる商品の魅力を消費者にどう伝えるか、試行錯誤しながらブランドを育ててきた。 「フレーム代表の石川さんが独立する前からのお付き合いで、20年近くお願いしています。弊社にとってパートナーのような存在です」と語る、販促企画担当の向田氏。 現社長が就任した2006年頃は、ボトルやラベルのロゴなどに統一感がなく、同じ会社の商品というのが分かりにくかったことから、同社は石川氏とともにデザインやブランディングを一から見直してきたという。
コンセプトを明確にすることからデザインが始まる
「デザインの打ち合わせは、私たちがこの商品で何を伝えたいのか、どんな人に買っていただきたいかなどを細かくお伝えすることから始まります」。例えば、酒の個性を色で表現したカラーボトルシリーズの一つ、ピンクボトルは、若い世代や女性が飲みやすい、やさしい味わいの酒を開発するというコンセプトが始まり。「その個性を表現するにはピンクがいいだろうと考え、石川氏と一緒に何度も色の検討を重ねて作り上げました」。 また、四季酒という季節限定酒は毎年ラベルのデザインを変えて展開。日本酒をもっと気軽に買ってほしいというコンセプトから、季節感のある目を惹くデザインを意識している。
世界的なデザインコンペで最高位を受賞
昨年は同社の長期熟成吟醸原酒『紅葉 金』が、世界的なパッケージデザインコンペティション「ペントアワード2017」で、飲料部門最高位のプラチナ賞を受賞。メディアや顧客からの反響も大きく、改めてデザインの重要性を感じたという。 「石川氏は麒麟山らしさとか、何のためにこの酒を造るのかというのを常に考えた上でデザインし、冒険もしてくれる。社員のような感覚を持ちつつ、外からの目線で見てくださるので、私たちも毎回新しい発見や魅力を感じることができます」。 近年は商品のカテゴリーを整理し、シリーズの統一感を図るデザインリニューアルとテーマ設定により、商品特徴をより明確に打ち出す形ができた。175年という伝統、長年愛される味と品質を守りながらも、今の時代に即したブランドづくりへ常に新しい挑戦を続けている。
会社情報
麒麟山酒造株式会社
〒959-4402 東蒲原郡阿賀町津川46
TEL.0254-92-3511 FAX.0254-92-5166
E-mail info@kirinzan.co.jp
URL http://kirinzan.co.jp/