製品の存在意義を伝え、仕事に向かう意識を高める
「ひとつの会社でエキスパートの講師を呼んで教育の場を持つのは大変なので、モノづくりアカデミーなどの支援はありがたいと思います。」と話すボールねじ事業部の平沢部長。
まず、自分たちの製品が何に役立っているかを伝える
ゲージ、計測機器、ボールねじの製造・販売を手掛ける株式会社第一測範製作所。ゲージから事業をスタートし、昭和54年から販売開始したボールねじは、ゲージ製造で培った高精度の技術を応用し、細密な部品を得意としている。
240名いる社員のうち、ボールねじ事業部は約60名が所属。その人材育成において重視しているのは、ボールねじが世の中でどう役立っているかを理解してもらうことだと、同事業部の平沢部長は話す。「ボールねじは製品の内部に使われるもので、人目に触れるものではないので、知らない人の方が多い。社員も自分が作るものがどこで使われ、どのような働きをしているかということを知って初めて、仕事の張り合いも出てきます。そこで7年前から新入社員を対象に、私が講師になって、週1回45分の勉強会を行い、それらを伝えています」。
後輩指導を任せることで社員のスキル向上につなげる
会社全体で取り組んでいるのが、マンツーマンリーダー制。新入社員に対し、各配属先で3年程の経験がある社員が3ヵ月間、リーダーとして一対一で指導を行うというもの。「日報をやり取りしながら、その日分からなかったことや、できなかったことを相談し、リーダーが指導していく取り組みです。業務中は忙しいと、質問するタイミングを逃すことも多いので、そのフォローもできます」と話す平沢部長。
この仕組みはリーダーを務める社員のスキル向上にもつながっている。分からないことを聞かれることもあるので、個々でも勉強して取組むようになったという。
今後は中堅社員に向けたコスト管理研修を目指す
技術者向けの研修には、NICOの「長岡モノづくりアカデミー」を活用。「別の部署が以前から参加していて、勧められたのがきっかけでした。大卒の社員に受講してもらいましたが、大学での研究はロジック中心だったが、広くラテラルに発想する考え方を学べて、とても勉強になったと話していました」。
平沢部長が次に取り組みたいのが、係長クラスに向けたコスト管理の意識を養う勉強会。ボールねじは世界的に見ても日本製が最も優れているものの、最近は安い海外製品が入ってきていて、今後さらにコスト意識が重要になってくる。高い技術を持つ職人目線だけでない見方も必要だという。社員の経験年数に合わせ、会社全体で人材を育成していく仕組みで、技術継承とさらなる飛躍を目指していく。
会社情報
株式会社第一測範製作所NICOクラブ会員
〒947-0044 小千谷市坪野826-2
TEL.0258-84-3911
FAX.0258-81-2112
URL http://www.issoku.jp