新潟のメディアとしてASEANとの架け橋になっていく【NICOpress142号】
新潟総合テレビ
放送企画本部 報道制作部 ASEAN支局 支局長 玉木 正晴 氏
日本のテレビ局で初めてホーチミン支局を開設
NST新潟総合テレビは昨年10月、ベトナム・ホーチミン市にNST ASEAN支局を開設。玉木支局長が常駐し、ASEAN諸国に進出している新潟の企業の動きなどを取材している。現在、ベトナムにある日本の放送局拠点はNHKのハノイ支局、そして同支局の2つだけだ。
小林報道制作部長は、進出の背景について「新潟県からASEANには30社余りの企業が進出し、経済的な結び付きが強くなっています。なかでもベトナムは10社以上が進出し、新潟県とベトナム第3の都市のハイフォン市が友好協定を結んでいます。また、ホーチミン市は商業都市として急速な発展を遂げているのを受け、支局開設先としました」と語る。
現地にいるからこそ分かる取材を心がけたいという玉木支局長。
ASEAN進出の新潟の企業を報道の立場からバックアップ
支局の大きな役割は、ASEANで活躍する新潟の企業の情報を県内に伝えること。さらに観光交流の活性化を意識し、いずれは新潟やベトナムを紹介する番組を互いの国で放送したり、ベトナムメディアとの番組共同制作の実現を目指している。
「ホーチミンはいま、まさに高度成長期にあって、その活気、活力たるやすごいものがあります」と、その印象を語る玉木支局長。取材をするなかで感じ入るのは、異国の地で挑戦する人々の情熱だという。「特に大きな設備投資をして、多くの雇用を抱える製造業の覚悟は凄い。まずはそうした企業や人を丁寧に取材し、その想いや信念を伝えていきながら、今後のASEAN情勢の動きを踏まえ、さまざまな角度から報道していこうと思っています」。
ネットでの情報だけに頼らず、現地の人脈からの情報を基に取材先を探していくのが玉木支局長の取材方針。
取材成果は毎週金曜に夕方のニュース枠で放送
取材の成果は、NSTで平日夕方に放送されている「みんなのニュース」の金曜レギュラーコーナー「ASEANレポート」で放送中。企業だけでなく、長岡技術科学大学への編入を目指す学生、現地のニシキゴイ人気、新年の様子など、これまで情報が少なかったASEANの様子を伝える内容で、視聴者にも新鮮さをもって受け止められているようだ。
新潟のメディアとして、情報を伝えながら新潟とASEANを結ぶ存在になっていこうとしている同社。将来的には、NST本社事業としてホーチミンと新潟を結ぶチャーター便ツアーの催行というアイデアもあるという。進出企業と同様に、未知への挑戦を始めた同社・支局のこれからに注目だ。
現地ではコーディネート会社の協力を得て取材活動を行っており、オフィスもその会社と同じ建物内にある。
ベトナム進出のポイント
- 日本のテレビ局として初のホーチミン進出
- 進出企業の様子を県民に伝えることで企業を支援
- 新潟とASEANの両方に向けた情報発信を目指す
企業情報
新潟総合テレビ
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