創業から40年以上にわたり、溶接板金加工メーカーとして技術とノウハウを積み重ねてきた株式会社エステーリンク。近年、自社商品として開発したバリ取り機は高い評価を受けており、現在、海外販路の開拓にも力を入れている。
積極的な展示会出展で“メイド・イン・燕”のバリ取り機をアジア市場へ
株式会社エステーリンク
常務取締役 齋藤 隆範 氏
NICOからの紹介でアジア各国の展示会に挑戦
一貫生産体制による精密板金加工をはじめ、集塵機やバリ取り機など自社商品の製造・販売を手掛ける株式会社エステーリンクでは、数年前からアジア各国の展示会に積極的に出展し、販路開拓に取り組んでいる。
「海外に挑戦したい気持ちは前々からあったのですが、具体的にどうすればいいのか分からなかった。そんなときに、NICOさんから中国の展示会に出展してみないかと声をかけていただいたのが最初のきっかけです。その後、ベトナムとタイの展示会も紹介していただきました」と齋藤常務は語る。
「ヨーロッパやアメリカの市場も魅力はありますが、日本の技術に追いつこうとしているアジアの国々のほうが、ビジネスチャンスを掴みやすいと思います」と語る齋藤常務。
ベトナムの市場に可能性を感じて毎年出展
2013年に初めて出展した「ベトナム工作機械展(MTAベトナム)」では、自社商品である高性能なバリ取り機「メタルエステ」と、精密板金加工技術を紹介した。「ベトナムは人件費が安いので、手作業でできるバリ取りにお金をかけるのは贅沢だという考えが主流。成約には繋がりませんでした」。それでもベトナムの市場に可能性を感じた齋藤常務は、同展に毎年参加。出品を「メタルエステ」のみに絞り、昨年は現地の販売店と協力して展示方法もグレードアップさせた。「ベトナムの工業は進んできているので、今後、当社の機械を使うことで作業効率が上がり、コストが下がるというメリットを感じてくれるのではないかと期待しています」。
集塵機のノウハウと磨きの技術を活かしたバリ取り機「メタルエステ」は、画期的な研磨方法により、あらゆる形状のバリ取りが可能。安定した品質の提供と、コスト削減を追求している。
タイ・バンコクで開催された「METALEX2016」の展示ブース。ASEAN地域最大の機械分野見本市で、同社は2013年から出展。「メタルエステ」の販売成約が実現した。
海外の生産拠点は急がずまずは“メイド・イン・燕”にこだわりたい
一方、タイでは展示会の成果が表れ、大手板金加工会社などとの取引が成立した。「ただし海外に生産拠点を作ることは、現時点では考えていません。“メイド・イン・燕”にこだわりたいのです」。そのためにも自ら頻繁に現地を訪れ、会社訪問を地道に続けることで販路を拡げていきたいという。
国内の展示会出展にも力を入れる同社。展示会からHPへと誘導し、商品だけでなく同社の技術を知ってもらうという流れを作っている。「製造業なので営業力が弱いのが課題でしたが、国内はようやく営業基盤ができてきました。海外に関しては私だけでなく、社内全体で取り組む体制を作っていくことが必要。今後は現地でよりよいパートナーを見つけ、ユーザーを増やしていきたいと思います」。新たなビジネスチャンスを掴むため、今後も粘り強く海外での営業活動を進めていく。
NICOのコレを活用!
「MTAベトナム」に、NICOブースの参加企業として出展。「海外見本市等出展事業費助成金」を活用し、タイの展示会に出展するなど、海外販路の開拓に活発に取り組んでいます。
企業情報
株式会社エステーリンク
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