青木酒造株式会社

2017年08月31日
NICOpress141号新商品開発

南魚沼市塩沢に蔵を構える青木酒造株式会社は、地域に愛されてきた老舗酒蔵として貫くこだわりと、新しいデザインによる感性が融合し、さまざまな販売戦略を展開している。近年取り組む新たな試みについて、阿部統括部長に話を伺った。

南魚沼の食文化に合う酒を醸し続け雪貯蔵庫の建設で酒質アップへ

青木酒造株式会社
取締役統括部長 阿部 勉 氏

米のうまみがしっかりと味わえる酒を造り続ける

創業1 7 1 7(享保2)年、今年で300周年を迎える青木酒造。良質の水があり、雪深い気候・風土の地で酒造りを続けてきた。本来、地酒はその土地の食文化とともに育ってきたもの。代表銘柄「鶴齢」は郷土料理に合い、少し甘めで燗をしてもバランスの取れる味わいが特徴だ。

「淡麗辛口の新潟の酒がブームになった時も、米のうまみがしっかり味わえる自分たちの酒造りを貫いてきた、という自負があります」と語る阿部統括部長。現在は、地元を大事にするという理念は変えず、より広く飲んでもらうための販売戦略や品質アップに積極的に取り組んでいる。

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雪男 純米酒
毛むくじゃらの異獣を用いた印象的なパッケージ。2016年“Topawards Asia”でパッケージデザイン賞を受賞した。キャラクターのインパクトが商品の認知度アップにも結びついたという。

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「雪男」キャラクターの題材は、江戸時代末期に鈴木牧之が書いた『北越雪譜』の「異獣」の章にある挿絵。鈴木牧之の次男が、同社の7代目社長を務めたという縁もある。

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雪男 ステッカー

雪を活用した貯蔵庫で酒質をワンランクアップへ

この3年間、米の雪室を借りて酒を貯蔵し、うまみや品質がどう変化するか研究してきた。今年は周年事業として雪を使った貯蔵庫を建設中で5月に完成する。今後は単品ではなくオール雪室貯蔵の商品として出荷する方針。「瓶詰めした当社の酒はすべてこの貯蔵庫を経由します。火入れの回数も減らすため、酒質は格段にアップします」。雪エネルギーの活用は付加価値の向上と、環境への配慮、コスト削減にもつながる。また、貯蔵庫は南魚沼の中心地に位置することから、地域のランドマークにもなるよう、敷地内に簡易的な雁木通りや庭をつくる計画だ。

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「創業300周年の節目に携われることを大事にしながら、この1年にのぞみたいと思っています。当社だけでなく地域の3蔵も一体となり『南魚沼』という土地の日本酒として世界に発信したい」と、阿部統括部長。

キャラクター展開やジャズライブなどの試みも

もう一つの銘柄「雪男」は鈴木牧之の『北越雪譜』に登場する異獣のエピソードにちなんだ商品。発売当初は文字ロゴによるパッケージだったが、7年前にデザイナーの提案で雪男のキャラクターを前面に出したデザインに一新。これが好評で、昨年アジア限定のパッケージデザイン賞“Topawards Asia”に入賞した。「歴史ある酒蔵のブランドイメージも重要ですが、販売手法に柔軟性が足りなかった。このデザインで色々な売り方が出来るようになりました」と阿部統括部長。グッズ展開や寄付金活動はパブリシティなどの広報でも成果が現れている。

また数年前からはファン感謝イベント「音と楽しむ酒」として蔵の一室をステージにした音楽ライブも開催し、新たな客層の獲得につなげている。伝統を守りつつ、柔軟な発想で進化する同社の今後に注目したい。

ここがポイント

  • 地元の食文化に合う酒造りを貫く
  • 雪エネルギー活用で品質向上
  • パッケージへのキャラクター採用で営業戦略が多様化

企業情報

青木酒造株式会社
〒949-6408 南魚沼市塩沢126
TEL.025-782-0012 FAX.025-782-9758
URL http://www.kakurei.co.jp

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