介護業界の人材不足が深刻になる中、ピーエムシー株式会社では介護職員や介護事業者を対象にした教育ツールを開発。離職率の高い新人職員だけでなく、指導者や管理者まで含めた人材育成と育成環境改善の支援に力を入れている。
介護職員のための教育ツールを開発し人材育成と定着化に貢献
ピーエムシー株式会社
代表取締役 谷 晴夫 氏
新人・指導者をともに育成する仕組み作りが必要
介護職の人材育成事業を行うピーエムシー株式会社では、介護業界の人材不足や離職に歯止めをかけるため、介護職員に向けた教育ツールの開発・販売に取り組んでいる。
同社では在日外国人介護士向けの教育用DVDを作成したのを機に、日本社会事業大学や新潟県老人福祉施設協議会とともに、日本人の介護未経験者に有効な教育プログラムや介護士の定着支援プログラムを研究。「そこで分かったのが新人職員だけでなく、新人を教える指導者も不安や悩みを抱えているということでした。施設全体が主体となって人を育てる仕組み作りが必要ということで2012年に完成したのが、新人・指導者をともに育成するOJTの強化ツール『新人職員育成100日プログラム』です」と谷代表は語る。
「新人職員育成100日プログラム」のキッド。実行予定表に沿ってプログラムを実施し、新人と指導者が一緒に課題に取り組むことで、信頼関係も生まれるという(写真上)。「介護事業所組織診断」は、組織全体と職員個々の課題を明確化し、改善の方向性をアドバイスするツール。選ばれる施設になるために何が必要かを知ることができる(写真下)。
データから課題を明確にしメンタル面もサポート
「新人職員育成100日プログラム」は、プログラムの進行とともに新人のメンタル状態、介護の知識・技術の取得状況などが数値やグラフで「見える化」され、新人・指導者ともに「具体的に何をすればいいのか」明確になるのが特徴。また、第3者の訪問調査員が新人・指導者・運用責任者と面談を行い、それぞれの不安や課題に沿ったアドバイスをしている。
実際に取り組んだ新人職員からは「不安が軽減されて課題が明確になった」、指導者からは「教えることで自分のレベルが分かった」といった声が。さらに、このプログラムを毎年導入している施設では、チームワークが良くなり、新人の離職率が低下するなどの効果が表われているという。
「人材不足だから募集するのではなく、そこで働きたいと思える施設に変えていくことが大事。その仕組み作りのお手伝いをしたいのです」と語る谷代表。
メーカーとして新たな教育ツールを開発していきたい
同社は「介護事業所組織診断」や「介護職員研修ツール」なども開発しているが、「まずは新人職員育成100日プログラムの販路拡大を目指したい」という思いから、谷代表はNICOの「広報実践講座」を受講。「商品開発の経緯や、使う側のメリットなどをA4用紙1枚にまとめ、いろいろな方に渡せるようになりました」と言うように、自社の商品を整理し、端的に説明するノウハウを学べたことが良かったという。
昨年から全国展開に向けて動いている同社だが、「当社はこれからもメーカーであり続けたいと思っています。そのためには代理店を増やして、販路を拡げることが必要。全国の利用者から得たデータをもとに新たな教育ツールを開発し、それをまた全国に展開していくことが夢です」と語る谷代表。今後も高齢化社会のニーズに応える事業に取り組み、介護業界のイノベーションを目指していく。
NICOのコレを活用!
平成27年度の「広報実践講座」を活用し、介護職員向け教育ツールの販売促進や販路開拓に取り組んでいます。
企業情報
ピーエムシー株式会社
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