創業10周年を契機にプログラミング教育事業に挑戦
学生から起業しましたが、これまで苦労したという思いはなく、いつも周りの人たちが力を貸してくれるので感謝しかありません。資金の面では、補助金など支援してくれる制度は結構あるので、うまく活用することが大事だと思います。
大学サークルで起業 web制作やシステム開発に着手
プログラミング教室の運営と学習教材の開発・販売を主力とするFUCO(フーコ)は、長岡技術科学大学の学生によるベンチャー企業として2004年に誕生した。
「大学でベンチャークラブというサークルに入ったのが起業のきっかけです。当時はIT系の起業が盛り上がっていて、学生でもビジネスができるのではという話になりました」と藤原代表。そこで長岡市内の中小企業などに営業し、学生たちによるHP制作事業をスタートさせる。その中で、人と関わりながら仕事をすることに魅力を感じた藤原代表が個人事業主となり、2006年に法人化。NICOテクノプラザ隣接のインキュベートセンターNARICをオフィスとして活用しながらweb制作や産学連携に関連する調査書の制作業務、システム開発などに取り組んできた。
プログラミング学習に注目 教材開発から教室スタート
大きな転機となったのが2013年。アメリカでプログラミング教育を推進する動きがあり、日本にもその波が来ると予想した同社は、創業10周年の節目を機にプログラミング教育事業を開始する。「当時の事業はシステム開発がメインだったので、そのソフト開発力を活かして、まずはプログラミングを簡単に学べる子ども向けの教材を作ることにしました。そして開発した教材を試してもらうために、プログラミング教室をスタートさせたのです」。
こうして学習教材『Progra!』を開発する。販売方法を模索していた藤原代表はNICOカフェや新潟県よろず支援拠点に相談。アドバイスをもとに教育系の展示会に出展したところ、多くの反響があり、契約にも繋がった。今では大手パソコン教室や個人にも使われている。
小・中学生向けの教室は『Progra!』を利用し、ゲーム作りを通して楽しくプログラミングを学ぶことができる。今は習い事の一つとして通う子どもたちも多い。
長岡市と新潟市にあるプログラミング教室は、堅苦しくない雰囲気が魅力。「小・中学生」「一般・社会人」「個別講習」と3つのコースを提供し、講師は現役のプロが務めている。
“自然に楽しく学べる”教材でFUCOの強みを活かしていく
創業からこれまでを振り返り、「大手とまともに張り合っても無理ですし、他社と同じことをしても我々の価値を出せなくなる。自分たちにしかできないことをするにはどうすればいいかというのを常に考えてきました」と話す藤原代表。近年は大手企業もプログラミング教育事業に乗り出していることから、その中で選ばれるために何をするべきかが課題だという。「教室を増やすよりも、当社の強みである開発に力を入れたい。“自然に楽しく学べる”というコンセプトは崩さずに、いろいろな教材を作って展開していきたいです」。
自社のコア部分を磨きながら、着実に成果を積み重ねてきた同社。ますます拡大するプログラミング教育の世界に、新しい風を吹き込んでくれそうだ。
会社情報
株式会社FUCO
〒940-0061 長岡市城内町3-4-14 4F
TEL.0258-89-5353
URL https://fuco.jp/