株式会社横正機業場

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2015年04月03日
NICOpress123号商品開発

株式会社横正機業場
代表取締役 横野 恒明 氏
専務取締役 横野 弘征 氏

株式会社横正機業場は、明治30年代から白生地を織り続ける老舗企業。同社の理念である「泉華」に共感するパートナーとのコラボレーションを通して、新しい可能性を追求しながら絹織物の産地・五泉の活性化に取り組んでいる。

白生地の未来を創造するパートナー事業を展開

クリエーターや職人とともに新しいモノづくりに挑む

日本三大白生地産地の一つ、五泉市で100年以上にわたり絹織物を生産する株式会社横正機業場では、同社が誇る白生地「泉華(せんか)」ブランドの可能性を探りながら、クリエーターや職人などとコラボレーションする新事業「Shall we  senka?」に取り組んでいる。
2013年に就任した横野恒明社長と弟の横野弘征専務は、伝統の既存事業を継承するとともに、未来を切り拓くための新事業を模索していた。「これからは大量生産の時代ではない。和装産業が衰退していく中で生き残るためには、当社が持っているものを評価してくださる方と一緒に、モノづくりをしていくべきだと考えたのです」と話す横野専務。そんな中、NICOの企業相談会を知り、新事業育成メンター・くらたまなぶ氏から市場や流通などについてのアドバイスを受け、事業の方向性を固めていった。

ノウハウを提案できる素材ブランドを目指したい

「Shall we senka?」では、パートナーであるクリエーターや職人が同社の白生地を使ってモノづくりを行い、商品を販売する際に横正機業場のブランドカードを付ける。それに対して同社は価格面での優遇やアイデアなどを、パートナーに提供する。こうしたパートナーシップを築くことで、大量生産にはない個性とネットワークが生まれ、将来的には様々なジャンルのパートナーを増やし、素材ブランドとして確立したいという。
これまで植物染め工房や京友禅作家とのコラボレーションをはじめ、クリエーターがデザインした生地の製作過程をSNSで発信するなど、新しい試みを展開。「まだ商売として形になってはいませんが、まずは五泉でこういう取り組みをしているというのを認知してもらうことが必要だと思っています」と横野社長は語る。

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培った技術や経験を活かし五泉の活性化に貢献

同社では良質な素材を多くの人に体験してもらいたいと、伝統的きもの生地の「紗」と「絽」を薄く、軽くしたストール向けの新素材を開発。新たな用途で活用することで、本来の狙いである和装産業の復興を目指している。
今後は新事業のパートナーを増やすとともに、付加価値を付けた生地を評価し、採用してくれる企業の開拓などもしていきたいという同社。さらに正絹生地を使って和小物などを作る「つまみ細工」を、五泉の人たちに広めたいという。「ワークショップなどで絹に触れてもらう機会を提供し、地域の人たちと五泉のブランドづくりをしたい。それが産地全体の再興にもつながると思うのです」と横野専務。今後も絹織物で培ってきた技術や経験を活かし、新しい挑戦を続けながら五泉の活性化に貢献してゆく。

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ここがポイント

  • 多彩なクリエーター、職人とコラボレーション
  • 互いにメリットがあるパートナーシップを構築
  • 素材開発や新事業を通して和装産業の再興を目指す

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「既存事業を継続するための新事業であって、絹織物に興味を持ってもらい、和装文化や産地の復興につなげることが目的です」と語る横野社長(左)と横野専務(右)。
同社の自慢は、100余年の伝統技術を今に受け継ぐ職人たちだという。指先で糸を感じ、まるで手足の一部のように織り機を操る。
薄く軽い白生地を素材提供し、京友禅の伝統工芸士とコラボで、織と染の良さを生かしたストールを発表するなど新しいプロジェクトも進行している。

【企業情報】
株式会社横正機業場(よこしょうきぎょうじょう)URL http://yokosho.co.jp
〒959-1824 五泉市吉沢1丁目2-38
TEL.0250-42-2025 FAX.0250-42-2847

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