昨年11月にオープンしたシンガポールダイニングばく亭は、新潟では珍しいシンガポール料理を提供している。シンガポール出身でホテルのシェフ経験を持つエイドリアン氏と新潟市出身の妻、明子さんに開業の経緯と今後の展望について伺った。
シンガポール人シェフが本場の味を新潟で発信
シンガポールダイニング ばく亭
オーナー Adrian Lee(エイドリアン・リー)氏
山﨑 明子氏
言葉の壁と向き合い夢実現に向けて踏み出す
いつか自分のお店を持ちたいと思っていたエイドリアン氏。妻の明子さんの故郷新潟へ里帰りをした際、ゆったりと時が流れる雰囲気や四季の豊かさ、文化などをすっかり気に入った。「シンガポールでのせわしない日々に比べ、新潟ならワークライフバランスを取りながら自分の夢を実現できると感じ、移住を決意しました」と語る。オープン準備は、レストラン経営を知り、交渉ごとも得意というエイドリアン氏だが、言葉の壁から苦労の連続だった。飲食業界の経験が無い明子さんが通訳に入っても思うように伝わらず、フラストレーションが溜まることもあった。しかし、周囲からのサポートを得ることで夢をあきらめず、一歩ずつ前進することができた。
「なじみのないシンガポール料理を新潟の多くの人に味わってもらうことで、シンガポールと新潟の架け橋になるようにしていきたいです」と語るエイドリアン氏(写真右)と明子さん(写真左)。
移住前からNICOに相談し、あらゆるアドバイスを受ける
明子さんは新潟の友人に出店について相談したところ、商工会議所を通じてNICOを知り、さまざまな創業サポートを受けることができた。「シンガポールにいる時から、NICO内の新潟県よろず支援拠点に相談し、出店場所やメニューなどあらゆるアドバイスをもらいました。そのため昨年7月に移住し、オープンが11月と比較的早く創業できました」と明子さん。「創業加速化事業」を活用し、「店舗の改築費や賃借料、光熱水費、通信運搬費、広告宣伝費等初期運営時かかるさまざまな経費を賄うことができたことは、とても心強かったですね」。
店名の「ばく亭」は、シンガポールの代表料理「バクテー」から名付けた。アットホームな雰囲気で、ランチなど気軽な食事から宴会まで幅広く対応。
新潟とシンガポール、食と文化の交流を目指して
店ではシンガポール料理や文化、英会話に興味のある方に向けて、エイドリアン氏と交流を深める英会話サロンを開催している。初回は5名が参加し、アットホームな楽しいサロンとなった。今後も定期的に開催していく予定だ。また、新潟は食材が豊富なので、シンガポール料理とコラボレーションしたメニューを作っていきたいと考えている。「シンガポール料理はもともと多様な国のミックスです。来日してから栃尾のあぶらげが気に入って使っていますが、もっと新潟の食材をミックスさせて新しい料理を作っていきたいです」。次の夢は、ばく亭をフランチャイズにすることと語るエイドリアン氏。今後の挑戦に期待したい。
おすすめは、豚のスペアリブをスパイスで煮込んだスープ「バクテー」(写真右上)、ココナッツベースのカリースープ「カリーラクサ」(写真左上)、鶏のスープで炊き込んだライスとやわらかい鶏肉の「海南チキンライス」(写真下)。
ここがポイント
- ワークライフバランスを新潟で実現
- 創業加速化事業を活用し初期運営の負担を軽減
- 英会話サロンを通じた文化交流
企業情報
シンガポールダイニング ばく亭
〒950-0017 新潟市東区新松崎2-2-7 MKビル1F
TEL/FAX. 025-282-7177
URL https://www.bakutei.net/homejp
営業時間/11:30~15:00(L.O.14:30)
18:00~L.O.21:00(平日)※月曜はランチのみ
17:30~L.O.21:00(土日祝)
定休日/火曜(祝日の場合は翌水曜日が休み)、第4月曜