専門家アドバイスや創業塾を通じ店の目玉やPRを具体化
茶店 さとやま
羽生 ヒロ子 氏
自宅の一部を改装し長年の夢だった店を実現
茶店 さとやまは、店主である羽生氏の自宅一部を店舗に改装し、今年2月にオープンした。古い梁を活かした空間で、コーヒーや抹茶、郷土料理などを提供している。
巻商工会に勤務していた頃、空き店舗対策として女性の有志で喫茶や作品の展示販売をする店を出していた羽生氏。「いつかはこういう店を持ちたいという夢はあったのですが、自分一人でやるには資金も必要ですし、退職してからもなかなか決心がつきませんでした。しかし同居していた義父が亡くなり、息子から家のリフォームの話が出たこともあって、自宅で店をやることを決めたのです」。
天井を解体したときに現れた梁が印象的な店内は、家に招かれたような落ち着いた雰囲気が魅力。
創業塾の講義を受け現実的なビジネスプランを構築
羽生氏は、かつての仕事仲間からの勧めもあり、「新潟創業加速化事業(若者・女性生活サポート産業創業枠)」の補助金を活用。さらに、NICOから紹介された「チャレンジ創業塾」を受講した。「そのときの講師が田中さんでした。堅苦しい講義ではなく、受講者同士が意見を出し合うワークショップのような授業で、すごく面白かったです」。
この講義を通して、現実的なビジネスプランが必要と感じたことから、地元に伝わる「こくしょう」と「けんさ焼き」を店の目玉メニューにすることを発案。商店街などを見て回り、ヒントを得ながら店作りを進めた。漠然と店を持ちたいと考えていた羽生氏だが、NICO事業コーディネーターの田中氏やNICOの創業支援担当のアドバイスから、コンセプトを絞ることの大切さを学び、より明確に茶店の方向性が固まっていったという。
インパクトのあるピンクの看板と赤い暖簾を設置。当初は派手に宣伝したくないと思っていた羽生氏だったが、田中氏のアドバイスでPR手法の大切さに気付いたという。
郷土料理のランチセットをはじめ、近所の人気菓子店のケーキやまんじゅうもメニューにあり、好評を得ている。
アイデアの糸口を一緒に探してくれたことが助けに
「オープン後に田中さんが、看板だけでは分かりにくいのではと、入口に暖簾を付ける前と付けた後の画像を作り、送ってくれました。」暖簾によって店の存在感が増すことが良く分かったという羽生氏。最近はこの暖簾を目印に来店した方もいるという。
今後は展示販売する手作り作品を入れ替えたり、昔懐かしいレコードを店内でかけたりするなど、お年寄りにも喜ばれるような場所を作っていきたいという。「アイデアの糸口を一緒に探してくれたことが一番助かりました」と言うように、田中氏のアドバイスや創業塾を通じ、長年の夢をスムーズに具体化できた理想的な例といえるだろう。
「田中さんのアドバイスは、自分の中で漠然としていたものを形にしてくれるという感じ。ボランティア的な気持ちで商売をしてはいけないということも分かり、現実的に考えるようになりました」と語る羽生氏。
創業・店舗改善等サポート
NICO事業コーディネーター 田中 聡子 氏
羽生さんの中にあったたくさんの「したい事・できること」を整理し、優先順位づけの提案をしたところ、お店のコンセプトがぐっと明確化しました。また、開店後は、外の方々と接する時間が少なくなりがちです。「半年に1回」など期間を決め、外部の方と共に振り返りや今後してみたい事をまとめる時間を設けるのも一案です。もちろんNICOでもお待ちしています!
企業情報
茶店 さとやま
〒953-0076 新潟市西蒲区福井1281
TEL.090-2739-0157
営業時間/9:30~18:00 定休日/火・土曜