味にこだわりぬいた佐渡発 野草ブレンド茶
佐渡にあたりまえにある「ぶちゃりもん」(捨てるもの)にスポットをあて、魅力的な商品を生みだし、佐渡を盛り上げている企業がある。味を探求し、進化し続ける野草ブレンド茶の今後の展望を伺った。
「野草茶は、佐渡の魅力を感じてもらうためのひとつのアイテム。佐渡の自然や野草に興味を持つきっかけになって欲しい」と話す片岡氏(写真左)とブレンダーの絢氏(写真右)。採取から加工まで独学で味と品質を探求している。
見落とされがちな佐渡の資源を活かしたい
佐渡に移住し7年目を迎える片岡氏は、佐渡の天然野草茶を販売する『さどのめぐみっ茶』を立ち上げて今年で4年目になる。2年前から息子の絢氏も佐渡に移住し、親子で茶葉採取から加工、ブレンド、販売までを行っている。
移住のきっかけは、冬から春にかけて佐渡の友人宅に滞在したときに感じた自然の息吹だったという。「グレー1色の冬の世界から、春がきてだんだんと花が芽吹いていく様子に元気をもらいました」と片岡氏は語る。生活するうちに島への愛着は増し、佐渡の自然を生かした事業がしたいと選んだのが野草ブレンド茶の製造・販売だった。「あえて佐渡の人が振り向かないものにスポットを当てたい」という挑戦から生まれたお茶は、じわじわと島内外にファンを増やしている。
味にこだわり、手間を一切惜しまない
片岡氏が事業開始から一貫してこだわっているのは「おいしい味」のお茶であること。『さどのめぐみっ茶』は、全ての商品がブレンド茶で、とにかく飲みやすい。野草という味や香りに独特の個性がある茶葉を使いながらも、日本のハーブティーと呼びたくなるような上品な味と香りに仕上げられている。
茶葉となる野草は、農薬がついていない場所を選び、同じ場所で採りつくさないように配慮する。採取から加工までの作業を必ずその日のうちに済ませるのは、茶葉の持つ風味を損ないたくないからだ。「野草たちは季節ごとに旬の時期が違うので特徴を熟知しないと最適なものにたどりつけないんです」そう話すのは、現在全てのブレンドを手掛けている絢氏だ。手間隙かけて茶葉の個性を活かす焙煎とブレンドを行っている。
佐渡から広げる野草茶の可能性
野草採取のオフシーズンとなる秋から冬はイベントや展示会に参加する。NICOのうまさぎっしり新潟・食の大商談会やフードメッセinにいがたをはじめ、展示会では目の前でお客様に試飲してもらいながら反応を確認。パッケージデザインもその声を反映して工夫してきた。
そして今、販売戦略として2つの新商品を準備している。ひとつは、野草以外の茶葉もブレンドする価格を抑えた商品。野草茶を気軽に日常に取り入れやすくする狙いがある。もうひとつは、味の探求を貫く特別なハイブランド商品。こちらには山形の飛島と、佐渡の大野亀にしかないトビシマカンゾウの花もブレンドする予定だ。身近にある野草がどこまで素敵なお茶に化けるのか。佐渡発野草茶ブランドの挑戦は続いていく。
企業情報
Brillian[さどのめぐみっ茶]
〒952-0202 佐渡市栗野江1828-2
TEL.0259-66-2424
FAX.0259-66-2424
URL https://megumittya.com