jam session people株式会社

2016年02月09日
NICOpress128号商品開発・販路開拓新事業展開海外展開

jam session people株式会社
代表取締役 関本 秀次郎 氏

高齢化が進む三条市の本町商店街に「シネマ+カフェ」という全く新しい業態の店をオープンさせたjam session people株式会社。店の人気メニューがアジア進出に成功、次なるターゲットは高齢者の味覚にあった料理の開発だ。

ショートムービーを上映するシアターカフェで 街に活気を

父の名を冠した酒場を母体に シアターカフェ経営へ

三条市の中心部、三条中央商店街にあるシアターカフェ「キネマ・カンテツ座」には、幅広い年代のファンが足を運ぶ。ここは、全国的にも稀な飲食のできるショートムービー専門の小さなシアターだ。オーナーの関本さんは、元板前という自慢の腕を振るいつつ、おおよそ月替わりの上映で高感度なアートを発信。「映像に興味関心のある若い世代を応援したい」と語る。

以前、東京で10年ほど働いていた関本さん。帰郷後は生家である割烹で板前として働いていた。腕が上がると自分の店を持ちたくなる。そこで、父・関本啠秀さんの姓と名から1文字ずつもらった「酒場カンテツ」をオープンした。しかし二足のわらじでは身体が持たず、店を妻に任せることに。自らは新たな業態へと転換を図ることになった。

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全国から集めたショートムービーを毎日上映する「キネマ・カンテツ座」。インターネットではなくスクリーンで見て欲しいという作り手の想いに応えようと、秀作集めに余念がない。将来は映画祭も開催したいという。

アナログな壁新聞を作り プレゼンに挑む

新たに挑む業態は、映像を視聴しながら食事や喫茶が楽しめるシアターカフェ。「僕が子供の頃、市内には3つ、父が若い頃は5つ映画館があったそうです。今はシネコンの時代ですが、街に映画の灯を絶やしたくないと思い、このような店舗形式を考えました」と関本さんは語る。

上映する作品は、メジャー映画ではなく、映像作家を目指す若い人を応援したいとショートムービーに照準を絞り、事業計画を携えてNICOへ。しかし、初めての審査会で審査員から思うような評価を得られなかったことで奮起。企画書を練り直して再提出した。

2回目のプレゼンでは、他の人がパワーポイントを使って説明する中、あえて壁新聞形式で説明。事業への熱い思いが「新規創業サポート事業」の採択へとつながった。

カンテツコロッケを海外へ。 新たな挑戦は惣菜開発

意気込んでスタートした「キネマ・カンテツ座」だったが、開店後半年ほどで客足が途絶えたのを機にリニューアル。カウンターを設置するなどカフェの要素を強くした店内に。オリジナルメニューの「カンテツコロッケ」や「サバサラ」の人気も上昇し、ショートムービー目当てに市外からの若いお客も増えてきた。

「余ったご飯を使った『カンテツコロッケ』は、今年5月下旬にミャンマーで初めて販売し、7月にはマカオで開催された見本市に参加しました。アジアやヨーロッパからもオファーを頂いています。新潟米を使ったコロッケで販路を拡大したいですね」。

次なる挑戦は高齢者向けの惣菜開発だ。「三条の街中も高齢化が進んでいます。ところが、朝市やスーパーを見ても、高齢者の個食に適した惣菜が少ないんです。高齢者向けに日持ちのする料理を開発したい。」と意気込む関本さん。地元を支える次なる挑戦に期待したい。

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「ミャンマーではコロッケ自体が珍しい料理。手応えはつかんだので、今秋も行く予定です」と語る関本さん。たくさんの人に美味しさを知ってもらいたいと意気込む。

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今や店の名物になった「カンテツコロッケ」(200円)は、ご飯がたっぷり入ったクリームリゾット風。米は県内産のコシヒカリとこしいぶきを使用している。

NICOのコレを活用!

新業態への転換にあたり平成25年度より「新規創業サポート事業」を2年連続で活用。平成26年度には「小規模事業者持続化補助金」を受け、高齢者向け郷土料理の開発及び広報・販路拡大事業に取り組んでいます。

企業情報

jam session people株式会社
〒955-0851 三条市西四日町2-10-14
TEL.0256-55-4504
URL http://jamsessionpeople.com/

 

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