合資会社小林醤油店

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2015年10月14日
NICOpress127号助成金・広報相談会商品開発

合資会社小林醤油店
小林 徹平 氏

創業以来、ひたむきに伝統製法を守り、地域に愛される醤油、味噌づくりに勤しんできた合資会社小林醤油店。大切な醸造蔵をさらに次代に引き継いでいくために、新商品の開発、そしてブランディングに取り組み始めた同社の挑戦の舞台裏を追った。

伝統の醸造蔵に新たな魅力を加えるための商品開発にまい進

自社一貫製法を守り 地域で愛されて80年

昭和10年の創業以来、昔ながらの手法で造る味噌・醤油を製造販売している合資会社小林醤油店。特に醤油は毎年1月に仕込み、1年かけて熟成させる製法を貫いている。「醤油造りを原料の仕込みから製品化まで自社のみで出来るのは、いまでは全国の醸造蔵で1割程度です。3代目である父は他社が作った醤油を仕入れることは一切せず、自社醸造を守ってきてくれました。現在はそれが、他社との違いを打ち出せる強み。自分たちで造ったものを売るという姿勢を続けていきたいです」。そう語るのは、同社の“4代目見習い”の小林徹平さんだ。

地元の顧客から支持され、今年で創業80年。主軸が地元というのは変わらないが、和食離れや人口減少、外食・中食の増加などにより、伸び悩む売上を前に、「何か新しいことをやらなければ」と、今、積極的に動いている。

kobayashi

「今年度は、定番商品のパッケージ、ロゴなどの見直しも含めた、ブランディングも進める予定です。経営を継いだら忙しくなるので、一番動けるいま、やらなければという思いです」と語る小林さん。

村上の名物“鮭”に注目 鮭節のだし醤油を開発

最初の挑戦は、昨年11月に発売しただし醤油『鮭むらさき』の開発。「やるからには、他にはない物を作ろう」と、村上ならではの鮭に注目し、鮭節で取った出汁と本醸造醤油を合わせた。鮭節は鰹節よりもまろやかな味わいで評判も上々だ。

開発にあたっては、商工会を通して国の小規模事業者持続化補助金を活用。「デザインも作り込みたかったので、自社資金だけでは踏み切れなかったと思います。支援のおかげで、希望のデザイン会社に仕事を依頼でき、また昨年のフードメッセinにいがたに出展して販路を作ることができました」。

そして、いま新たに取り組んでいるのが、指定生産者の県産小麦と県産大豆を使った醤油の開発だ。

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「濃厚さけぶしブレンド醤油 鮭むらさき」300ml入り650円(税込)。新潟駅の土産店などで取り扱っている。今後量産化のめどが付けば業務用市場も狙いたいという。9月には「うまさぎっしり新潟・食の大商談会」にも参加予定だ。

蔵の未来の仕込みに向け いま出来ることに注力

ネックは新たに小麦の焙煎機の購入が必要なことだったが、構想を練っている時期に参加したNICOカフェをきっかけに、経営革新計画と国のものづくり補助金への申請を進められ、採択を受けた。申請書作成の際は「新潟県よろず支援拠点」のアドバイスをもらったという。

「当初は地元の小麦と大豆の醤油という構想でしたが、NICOの審査会でアドバイスをいただいて、原料の生産者まで分かる醤油を目指すことにしました。原料の確保は大変ですが、何としても実現させます」と小林さんは語る。この醤油は2017年1月頃の出荷を目指している。

食品メーカーで商品開発などの経験を経て、2011年に帰郷した小林さん。「幼いころから継ぐのが当たり前だと思ってきました。自分の子どもに、きちんと引き継げる蔵にできるか。そのために、いま出来ることをやるしかないと思っています」。飛躍へのさらなる挑戦に向け、今後も進み続ける。

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人工的な温度を加えることなく、自然のまま1年間ゆっくり熟成させた醤油もろみ。その後、槽がけという伝統的な圧搾方法で醤油をしぼる。

NICOのコレを活用!

「NICOカフェ」「新潟県よろず支援拠点」「経営革新計画」を活用して、新商品開発に取り組んでいます。

企業情報

合資会社小林醤油店
〒959-3122 村上市大津543-1
TEL.0254-62-2088 FAX.0254-62-2288
URL http://www.kobayashi-shoyu.co.jp/

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