設計からソフトまで複合技術を強みに
環境配慮型インクジェット装置を開発
トライテックは全国でも数少ない産業用インクジェット装置のメーカー。ハードからソフトまで社内で設計開発を行える高い対応力を武器に、「こんな装置がほしい」という顧客のニーズに応えている。
「装置導入に欠かせない試作品作りにスムーズに対応するため、社内には用途別のテスト印刷装置が数多くあり、お客様の要望に沿って試作品を作るテストエンジニアがいます。こうした体制があるからこそ、全国から依頼をいただけています」と高橋社長。
食品包装材に適した水系インクの印刷装置
産業用インクジェット装置の開発・製造・販売を手掛けるトライテック。内装・外装建材、エレクトロニクス、自動車部品など、幅広い分野に装置を提供する。同社が新たに開発したのが、軟包装向けの水系インクジェット装置「Roll JET-FP」だ。
「軟包装材は従来グラビア印刷が多いのですが、版を作って印刷するのでロットが大きくなります。インクジェット用UVインクはフィルムへの密着性は高いものの、匂いがあるので食品包装材にはあまり向かない。食品用途に向き、少ロットオーダーや、短納期にも対応する水系インクジェット印刷の要望は以前から強かったのです」と高橋社長。そこで新技術・新製品開発を支援するNICOのイノベーション推進事業を活用し、トライアンドエラーを繰り返しながら開発を進めた。
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今年3月にリリースされた「Roll JET-FP」。高解像度ヘッドを搭載し、鮮明で精細な仕上がりが可能。装置の低価格も実現した。年内中の実用化を目指している。
設計からソフトまで
各技術を持った社員が結集
「グラビア印刷に近い画質が要求されます。高速で連続印刷するので、画像品質の安定性を保つことに苦労しました」。軟包装フィルムなどに使用される樹脂素材は水系インクとの親和性が低いため、印刷品質を保つのが難しいが、インクメーカーとの協業により最適な水系インクを選出。さらに、短時間で乾燥が可能なシステムを開発(特許出願中)することで品質を向上した。水系インクはUVインクと比べてVOC(揮発性有機化合物)の排出が非常に少なく、人体や環境への安全性が高いことも大きな強みとなった。
「インクジェット装置は複合的な技術が必要。当社では機械設計から電気設計、画像処理、ソフトウェアまで、各技術部門の社員がプロジェクトチームを組んで開発します。これらの技術を社内に網羅している会社は少ない。だからこそ今回の装置も一年半程で開発できたのだと思います」。
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[Roll JET-FPによる印刷サンプル]
将来性のあるビジネスとしてインクジェット印刷を推進
同社は商談会をはじめ、海外スタッフへの技術指導をオンラインで行うなど新たな取組みも始めた。「よい製品を開発し提供するという本質的なことは変わりません。インクジェットを産業の各用途に使うことはビジネスとして将来性があると考えていますし、推進していきたい」と高橋社長。コスト削減、小ロット、環境対応など、各分野で高まる産業用インクジェット装置のニーズに対応すべく新たな挑戦を続けている。
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住宅の外壁に使われる金属サイディング材にインクジェット装置で加飾したもの。印刷とは思えない自然素材に近い風合いも表現できる。
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専用装置で印刷した円筒形のガラス容器。
企業情報
株式会社トライテック NICOクラブ会員
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