長年培った一貫生産体制が事業展開の基盤に
株式会社川﨑合成樹脂
代表取締役会長 川﨑 国雄 氏/代表取締役社長 川﨑 雄輔 氏
木工業からプラスチック製の家庭日用品製造へ
家庭日用品や調理器具を中心に、プラスチックやセラミック製品の企画から製造、販売まで行う株式会社川﨑合成樹脂は、1936年に木工所として創業。「本格的に家庭日用品に参入したのは、現社名に改称した1961年から。二代目社長がオリジナルのプラスチック製品を考え、今の会社の基礎を築いたのです」と川﨑会長は語る。
「作れば売れた」好景気の時代、各地に取引が拡大するなか、問屋を通さず直接販売をしたことで、一時は地元の問屋に商品を扱ってもらえなかったことも。また、25年程前はバブル崩壊の影響により会社存続の危機に直面した。このときの試練を教訓に顧客の集中化を見直し、徐々に大手企業との取引を実現。大手セラミック関連メーカーの信用を得てOEM生産を受注し、事業内容も多様化していった。
MILLUセラミック ウッドコーヒーミル[欅]
デザイン性も重視した、コーヒーミル。2017年のIDSデザインコンペにも出品した。セラミックの刃は摩耗しにくいため、使い始めの挽き味が持続する。
新事業としてセラミック製品の企画・生産を開始
同社の強みは、金型設計から成形、加工、組立、物流までの一貫生産体制と、オリジナル商品を開発する企画力だ。「当社はパーツ製品ではなく、プラスチックや金属、セラミックなどの素材を組み合わせた『完成品』として出荷できるのが、他社にはない武器です」と川﨑社長。営業社員がキャッチした顧客からの要望やニーズなどを商品開発に活かすため、営業部と企画開発部合同の企画会議も週1回実施している。
さらに2012年にはセラミック製品の新事業部を設立し、グラインダーにセラミック磁器を使用したミルを開発。コーヒー、スパイス用をはじめ、NICOの「高付加価値化サポート事業」の認定を受けて開発したお茶や唐辛子用のミルは、高評価を得ている。
毎週行われる企画会議がモノづくりの原点。ユーザーの立場に立った発想でアイデアを出し合い、より新しく・便利な製品を生み出している。
円滑な事業承継が将来の会社の活性化に必要
昨年、創業80周年を機に社長業を退いた川﨑会長。「自分がまだやれると思っても、次世代へ交代したほうがさらに会社がよくなる、という時にバトンを渡すのが社長としての務めです」。その言葉を受け、「良いものは受け継ぎながら、新しいことにも挑戦したい。当社の武器である素材の“複合化”をキーワードに、今までとは違う分野にも参入していきたい」と、今後の展望を語る川﨑社長。モノづくりの技術力や生産体制の構築はもちろん、後継者への円滑な事業承継も、将来の会社の活性化につながる大きな要因といえそうだ。
長年培った一貫した生産体制と企画力。次の世代へつないでいく。
「当社のお得意様が安定し、会社が大きくなってきたのは、今の社長ががんばってくれたから。私一人ではできなかった」と川﨑会長(写真左)。「80年も続けてこられた理由、それが何なのかを見間違わないようにしたい。自分の思いを社員に理解してもらいながら、新たな挑戦にも取り組みたい」と川﨑社長(写真右)。
企業情報
株式会社川﨑合成樹脂
〒955-0021 三条市下保内401-17
TEL.0256-38-2531 FAX.0256-38-3666
URL http://kawasaki-plastics.jp