充実のネットワークで 新潟の陸上輸送を担う
中越運送株式会社
代表取締役社長 小林 和男 氏
市場変化や規制緩和で 物流のスタイルも変化
昭和26年の創業以来、トラック輸送をメインに新潟県内から全国、海外を結ぶ物流を支えている中越運送株式会社。輸送事業のなかでも、ターミナルで顧客の荷物を大型トラックに積み合わせて地域間を定期的に運ぶ、特別積み合わせ貨物輸送を主力としてきた。全国に約60の事業所と、県内を中心に6つのロジスティクスセンターを持っており、その充実したネットワークが同社の強みだ。加工食品、日用品から医薬品、出版物、住宅設備と、取り扱う製品は実に幅広い。
一方、時流と共に主力である特別積み合わせの社内シェアは縮小してきており、それに変わる別の形での物流事業が増えてきたと小林社長は語る。「近年、国による規制緩和や、ネット社会の広がりによる消費スタイルの変化など、物流を取り巻く環境は激変し、物流の流れが変わってきています。また、各企業も常に物流の合理化を考え、取り組んでいらっしゃると感じます」。
「業界としてはドライバー不足が課題ですが、労働環境やイメージの向上にも取り組み、大切なインフラである物流を守っていきます」と語る小林社長。
県内でも急速に増えてきた 物流アウトソーシング
各社の製品が中越運送に集約され、中越運送がスーパーやコンビニの配送センターや問屋、食品工場などの納品先ごとに仕分けをして配送する共同配送の仕組みが、大手食品メーカー間でスタンダードになって久しいというのも、合理化を体現している事例だ。
また、県内企業の間でも増えているのが物流のアウトソーシング。自社で物流用の施設を保持するには、ハード・ソフト・運用面でかなりのコストが掛かるということもあり、その一部あるいは全てを委託する形で、経営のスリム化が図られているという。
「お客様の製品を当社の倉庫で在庫管理し、出荷の指示に合わせて、部品ひとつからピックアップして、私どもから全国に配送します。温度管理ができる倉庫も備えているので、日本酒などの温度管理が必要な製品に対するニーズにもお応えしています」。
さらに同社では、平成21年に中国・広州事務所、平成26年にはベトナムにホーチミン事務所を開設した。特にベトナム進出は、顧客からの「そろそろアセアンに拠点を作ってほしい」という要望を受けたことがきっかけとなった。
ロジスティクスセンターはこの新潟東港のほか、新潟、三条、燕、埼玉、前橋の6ヵ所にあり、さまざまな輸配送のニーズに応えている。
経験と技術を活かした 戦略的物流システムを提案
海外の事務所の開設によって、新潟からの輸出入が増えるのではないかと予想していたそうだが、実際はアジア圏内間でのやりとりが増えている印象だという。
長年に渡って新潟の企業を支えてきた同社は、地域特性など新潟ならではの商売の条件を理解し、物流環境の向上のための提案を行えるという強みを持っている。「昔は物さえ運べばいいという時代でしたが、今は全てにおいて情報が重要です。ご相談いただければ、当社の経験や情報をもとに、お客様にとってよりよい輸送の形となる、戦略的物流システムを提供できるという自負もあります。物流のプロとしてお客さまのよきパートナーでありたいと思いますし、地域に貢献していきたいと思っています」と語る小林社長。物流は企業にとって経営戦略における重要なポイントであり、同社の成長は新潟の企業にさらなるメリットをもたらすに違いない。
企業情報
中越運送株式会社
〒950-8621
新潟市中央区美咲町1-23-26
TEL.025-283-0019
FAX.025-284-0590
URl http://www.chuetsu-group.co.jp