C’s kitchen【地元農産物で人がつながり、仕事を生む。農・福・食連携のひとつの事例になっていきたい】

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2023年02月08日
NICOpress186号新事業展開

地元農産物で人がつながり、仕事を生む。
農・福・食連携のひとつの事例になっていきたい

農業、福祉、食を連携し、地域のおいしい循環を実現していくプロジェクト「rucoto(ルコト)」を展開しているC’s kitchen。2022年には直営店を「旬果甘味店ルコト」にリニューアルオープンし、同時に規格外農産物の一次加工を福祉施設利用者と共に行う「おいしい循環ラボ」を開設。食がつなぐ循環の仕組みづくりに力を注いでいる。

C’s kitchen 代表 佐藤 千裕 氏

兵庫県生まれ、東京育ち。2000年に新潟 へ移住し、結婚式場のパティシエとして働いた後に独立。料理教室やケータリングユニットでの活動などを始める。2018年から規格外農産物を加工し、商品化につなげるプロジェクト「rucoto」を開始。農福食連携、フードロス削減への取組、食育など幅広い活動を行っている。

Q1 シーズキッチンの事業内容は?

新潟の農家さんから直接仕入れる規格外農産物を使ったスイーツやジャム、シロップなどを製造し、店舗の「旬果甘味店ルコト」やキッチンカーで販売するほか、ケータリングも行っています。農産物の一次加工は、当社の「おいしい循環ラボ」のほか、調理設備がある福祉施設に持ち込んで作業してもらっています。例えば、炒め玉ねぎに加工し、飲食店へ卸したり、店舗で作るポタージュスープやカレーなどに利用したり、ケータリングやキッチンカーのメニューにして販売したりといった形です。

 

Q2 規格外農産物に注目したきっかけは?

新潟での活動を通じて農家さんと知り合う中で、後継者不足や収入の課題、規格外農産物の廃棄問題など、農業の現状を知って、農業県・新潟なのに農業で食べていけないというのはどういうことだろう、と思ったんですね。輸入食材ではなく、地元農家が作る旬の食材をありがたくいただいて、無駄にせず循環させることで収益につなげ、多くの人の仕事も生まれるよう展開していきたいと考えています。

 

Q3 福祉と食の連携のポイントは?

福祉と関わるようになったのは10年ほど前にある施設でお菓子開発のアドバイザーをしたのがきっかけです。「おいしい循環ラボ」では施設外就労で来られた利用者さんと弊社スタッフが一緒に農産物の一次加工を行います。作業は利用者さんの適性に合わせたものを依頼し、仕事をする喜びや達成感を味わってもらい、成長の様子を共有しながら働きたいと考えています。食と福祉の連携はまだ事例が少なく、手を出しにくい状況もあるので、当社がひとつの事例になることで、皆が取り組みやすくなればと思っています。

 

Q4 これからの展開、課題は?

この循環の取組をきちんと儲かる仕組みにして若い世代に手渡すことが課題です。お客様にも、どのように農・福・食が連携して商品になるかということを、新潟の食材の魅力と一緒に紹介したいですね。また、コロナ禍で止まっていた「こどもげんきごはん塾」などの食育活動を再開予定です。地域の子どもと住民や学生が一緒にご飯を作り、食べながら、旬の食材に触れ、食と循環の大切さについて学ぶ、交流の場や居場所づくりをしていけたらと考えています。

 

「旬果甘味店ルコト」では規格外農産物で作られたジャムや焼き菓子、新潟産素材を使ったおしるこなどを販売。夏季は前店舗DAIDOCO青果氷店時代からのかき氷が人気。かき氷シロップは業務用でも提供している。

 

キッチンカーでは潟マルシェや県内のイベントに出店し、かき氷やスープなど旬のメニューを提供。地域の農産物を使ったメニュー開発も手掛けており、道の駅たがみの「うめ味噌ソフト」の開発も担当した。

 

C’s kitchen 代表 佐藤 千裕 氏

仕事をする上で
大切にしていること

農家さんの立場で考えると、自分の作った農産物の味がダイレクトに伝わるほうがうれしいだろうな、と思うので、素材そのものの味が全面に出るような商品を作りたいと思っています。様々な活動に対して「どうしてそんなに頑張れるの?」と聞かれることが多いのですが、農家さんのことが好きで、私たちの命の根源である食を支えてくれている農業がビジネスとして成り立つ世界であって欲しいという想いがあります。

企業情報

C’s kitchen(シーズキッチン)

新潟市東区松島3-1-3
URL https://cskitchen.shopinfo.jp/
■旬果甘味店ルコト/木・金・土・日曜・祝日営業 11:30~17:30
 出店、ケータリング・オーダーメイドメニューの依頼はHPのお問合せフォームから

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