採用から見直すことで教育環境の向上を図る
「地元出身者が多く、社員数も少ないので一人ひとりに目が届く。バーベキューなど社内行事ではみんなで盛り上がるアットホームな雰囲気があります。人材育成の素地は、このような気風や社員間のコミュニケーションの良さだと思います」と語る小池常務。
自身も中途入社だという櫻井氏は「総務の仕事も初めてなのでNICOのセミナーは大変参考になります。セミナーは毎回誰かが参加し、社内にフィードバックしています」と話す。
慢性的な人手不足をジョブ・ローテーションで解消
株式会社共和精工は今年で創業44年、金型製作を主とした総合金属加工メーカーだ。自動車関係を主軸に、家庭電化製品・日用雑貨・OA機械など幅広い分野の金型に対応。設計から、製品形状や作動等の確認のための成形までといったトータルサポートと、遠方の顧客でも距離を感じさせないフットワークの軽さが同社の魅力だ。社員数は役員やパートも含めて27名、平均年齢は40代前半と若い。
現在、金属加工業界は慢性的な人手不足に陥っており、特にマシニングセンターで即戦力となるオペレーターは求人をかけても集まらない。そこで同社は考えを根本から切り替えることにした。「即戦力の採用に固執せず、人手が足りない部分は社内で補おうという発想に転換。別の部署で働く社員をマシニングセンターに配置する“ジョブ・ローテーション”を採用しました」と小池常務は語る。
採用は慎重に行いマッチングを確認する
「採用の条件として“経験者”・“マシニングセンターのオペレーター”というハードルをなくしたら、やる気があるなど人柄重視の雇用に方向転換できました」と小池常務。同社は「技術の習得には時間がかかる」という前提の元、新入社員にはヒアリングを何度も行う。お互いの意志を定期的に確認し合い、「マッチング」を重視した採用を行っている。
また、製品・部品の搬送など技術職以外の業務を抽出し、そこには未経験者を配置した。技術職は製作に専念できるようになり作業効率が向上、スキルアップの教育を受ける余裕も生まれた。
「当社は各工程がひとつひとつの工房のようで、難しい金型を作り上げる過程で社員が結束する気風があります。やる気があり当社の気風にマッチした人材を確保することが人材育成の基盤になると考えます。採用を慎重に行うことで離職率も低下しました」と櫻井氏は話す。
自力では得にくい最新情報はNICOのセミナーを活用
採用後、未経験者は外部の研修に参加してもらい、基本技術や専門用語などを習得しスムーズに職場に入れるよう工夫している。その後の人材育成や会社経営に必要なスポット的な研修はNICOのセミナーを活用している。「中小企業が自分たちの力では得にくい最新情報を学べるので大変助かります」と櫻井氏。社員が受講を希望すれば快く参加させる同社の姿勢も成長を促している。
「金型製作は一人前になるまで最低5年はかかる。今後はジョブ・ローテーションをさらに活用して、当社の技の伝承・技術力の強化を図っていきたい」と小池常務は展望を語ってくれた。
会社情報
株式会社共和精工NICOクラブ会員
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